本日は、平成30年(2018年)3月18日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、中小企業診断士の立石です】
円高不況直撃で、私が就活で苦しんでいた1986年(昭和61年)。
女性の本格的な社会進出が、キックオフされた頃になるでしょうか。
その年に、男女雇用機会均等法施行。
ところが、30年前のキーエンスでは、
既に女性が活躍されている職場でありました。
「”キーエンス”」の語源は女性社員の提案
キーエンスは、
Key of Science:キー(オブ)サイエンス(科学の鍵)の略称・・・
このことは、広く知られるようになりました。
入社した直後、創業者からの講話で、
この「キーエンス」は、女性社員からの提案であったと。
合理的な理由で『お茶くみ業務を廃止』
私が営業所に赴任した時に、既にルール(全社のルール)がありました。
営業事務職の女性に、お茶くみ業務はありません。
休憩時等のお茶は、各自が紙コップを利用して準備する。
営業所長であれ、営業所に来訪する創業者も同じです。
例外はありません(1人1日1個支給・使い捨て)。
創業者によれば、このルールも
女性社員の提案によってなされたと。
創業当初のキーエンス(リード電機時代)。
創業者は、女性社員に朝のお茶くみを、お願いしていたとのこと。
その女性社員から「お茶くみ業務より、高い価値の業務に専念したい。
各自でやって欲しい」との申し出。
それでも、創業者は「湯のみを洗うことについて
社員全員分をまとめてやって頂くことで、業務の効率化が図れる」と、
論理的に説得したそうです。その場は収まったのですが、
ほどなく、当該の女性社員が、使い捨ての紙コップを持参されて、
『これを利用しましょうと』と提案。
よく考えてみると、この提案は論理的(合理的)であり
反論することはできない(採用する他はない)。
論理的であれば、誰の提案であれ採用される・・・
キーエンスの下地を作られた方が、
この女性だったのかもしれません。
高い価値の業務に専念
私が在職していた当時の回想。
実際、キーエンスの営業事務(当時は女性のみ)の業務は
お茶くみのような雑用は無く、より高い価値の業務に専念されていました。
営業事務(当時は女性のみ)の方は、営業担当者のような
21時過ぎまでの残業や、勉強会や反省会の参加などはありませんが、
それでも、連日19時前に退社されていたと記憶しています
(もちろん、残業代は全額支給されていたはずです)。
男女とも、営業所で定時の17時15分に退社できるケースは、
ほぼ皆無だったと思います。
キーエンスを志望される学生さんは
男女とも、既に覚悟されていると思いますが、
生半可な気持ちや動機では、
入社後、ギャップに悩まされ苦労するだけです。
(あたりまえのことですが、
高い報酬は、楽して得られないということです)。
入社後、人事部門の責任者の言葉を聞いて
納得いたしました。
当社の女性社員は、世間一般の会社にありがちな
【職場の花】というような、
戦力と関係ない失礼な基準で採用しない。
男女とも『バリバリ働く方を求めている』と。