本日は、平成30年(2018年)2月25日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
今回のシリーズ「脱サラで独立?」。
経営コンサルタント(中小企業診断士)として、
【失敗を回避】する為の、簡単な基礎を綴っております。
本当に、初歩以前の内容ですが、
とても残念である【確実な失敗】を回避するための、
ご参考となれば幸です。
前回、赤字とならない、
最低限必要な目標売上高を算定いたしました。
重複記載となりますが、
◆販売する商品は、1種類のみ。
※固定費:家賃など月額30万円。
◆変動費:1個あたりの販売に際して、
商品の仕入れ単価や包装紙等をまとめて 1万円。
赤字回避には、
※固定費分の利益(何度も繰り返しますが利益≠売上高では無い)を
ゲットする必要がありますね。
ここで、復習です
商品の販売価格(値付け)を決めました。
→仕入れ等で総額1万円かかる商品、
販売価格を4万円に決定すると、
1個売ると、
売上高-変動費(4万円-1万円)=利益(専門的な用語ですが限界利益)が3万円。
30万円の固定費分をゲットするには、10個以上販売できればOKですね、
売上高に換算すると、10個×販売単価(4万円)で、
月額40万円の売上高が必要となります。
この月額40万円の売上高は、赤字ではありませんが黒字でもありません。
つまり収支トントン。これを[損益分岐点売上高]といいます。
(赤字を回避する)毎月の最低限必要な売上高となります。
次のステップ:【目標売上高】の達成、
本当に可能ですか?
単純な計算式で、毎月の目標売上高40万円と決めました。
では、目標通りに毎月10個売ることが可能ですか?
この点についても、独立に際して慎重に検討頂きたいところなのです。
まず、実際に1個4万円で売れるものですか?
もちろん、価値をお認めになられたお客さまが、
お買い上げされるのですが・・・
もし、ライバル店に同等品があったりすると販売価格4万円より、
安くする必要があるかもしれません。
仮に、販売価格4万円を半額の2万円にした場合、
1個売ると、売上高-変動費(2万円-1万円)=利益(専門的な用語ですが限界利益)が1万円。
30万円の固定費分をゲットするには、30個以上販売できればOKですね、
売上高に換算すると、30個×販売単価(2万円)で、
月額60万円の売上高が必要となります。
今回のケースでは、
1個4万円の販売単価で、毎月10個売ればOKだったものが
販売単価を2万円にした場合、毎月30個売る必要があります。
仮に、安くすれば売れる?としても、
もし、ひとりのお客さまにとって
必要とされる個数が1個なら、30人のお客さまが必要です。
商品次第でしょうが、もしかしたら
毎月30個売ることは、大変な努力が必要になるかもしれません。
飲食店で特に注意したい点
薄利を数量(来店客数)でカバーできるか?
他店より安売り。
また、他店と同等価格であるが高価な食材を使うスタンスも
安売り(薄利)であります。
薄利で、目標売上高を達成するには、
同じく来店客数が増える必要があります。
ただし、たくさんのお客さまが来店されても
現実として、さばけないというケースも考える必要があります。
たとえばランチタイムの繁忙時。
お客さまは、全て会社にお勤めの方で、
限られた昼の休憩時間で来店されている場合・・・
提供時間を早くすることは、勿論必要ですが、
『当店は薄利でやっているので、早く食べて
次にお待ちのお客さんに、席をゆずってください』なんて
対応は、フツーは無理です。
理由は?お客さまから反発を買うからです。
固定費を下げればハッピー?
経営上、ネックになるのは固定費でもありますね。
毎月の固定費となる家賃は、安いにこしたことがありません。
ところが、立地の良い店舗は、
それなりの家賃がかかるでしょう。
今回のテーマ『脱サラで独立?』を、実際に検討される方には
以上のお話しをしています。
正直言って、慎重になられる場合が多いです。
学生さんにオススメ
起業のウォーミングアップ(実学)
学園祭の模擬店(例えばB級グルメ)の運営で、
起業(経営)を勉強する方法もあります。
固定費(調理器具のレンタル費用等)と
商品別の販売価格の検討と限界利益の計算。
どれだけの時間で提供できるのか?
購入されるお客さまの客単価、何名のお客さまが必要なのか?
集客をどうするのか?
ライバル店との価格競争等々・・・
いわゆる黒字経営のシュミレーションの実施ですね。
そして実際に開店。さらに結果の検証。・・・
こういう手順で、起業というものを勉強する手法も有りだと思います。
まさに実学だと思います。