本日は、平成30年(2018年)1月10日水曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
前回に続き、私が惚れ込んだアンリツの機器について綴ります。
当時、三角測量方式で最高レベルの精度を誇った
アンリツの【光マイクロ】®KL130A
前回同様、以下の写真は、
光マイクロ 総合カタログ CAT.NO.46368-2からの抜粋・引用となります。
photo:カタログP2頁より抜粋
photo:カタログP14頁より抜粋
上の写真がセンサヘッド。専用のケーブルを介して下の写真の表示部(操作・測定・出力)と接続します。
実際は、センサヘッドの方が、はるかに小さいサイズとなります(手のひらに乗ります)。
変位量を測定する機器であります
変位計という定義にもなるのですが、測量機器と異なり、残念ながらセンサヘッド(端面)からの距離・長さ(絶対距離)を測定する機能は持っていません。
この機器は、まずセンサヘッド端面から定められた一定の距離(差動距離)を、
ゼロ点とします(表示部の指示が0となる位置。
この0の位置は、投射されるレーザビームのスポットの
直径が最小の位置)。
このゼロ点より近づく側(プラス+表示値が増える)と、
反対にゼロから遠ざかる側(マイナス-表示値が増える)の
(限られた)測定範囲があります。
その測定範囲内の変位量を、高精度で表示・同時に外部出力できるという
機能を有しています。
主に微小部品(特に軽薄短小)・機器の「高さ」「反り」「移動量」等の測定に使われるものです。
市場要求である、【より高精度に】・【レーザビームの直径は、より小さく】に 対応したものでありました。
mmでなく、μmという高い精度の領域
市販の定規をお持ちでしたら、
最小目盛の1mmという長さを確認してください。
もはや目視では無理ですが、1mmの長さを等分に1000に分割した1単位が1μm。
(つまり1mm=1000μm ∴1μm=1/1000mm)。
シリーズで最高精度を有した、KL130Aのシリーズの表示部。
最小読み取り値(表示部)は、
その1μmの1/100となる、0.01μm(1/10万mm)でありました。
アンリツに転職して、やや混乱したこと
カタログに記載されている用語の意味・重要度
キーエンスで相当品を販売していたのと、在職中にライバルであったアンリツの
カタログを研究する機会があったため、用語の概略は理解できていました。
しかしながら、微妙に用語の使い方・考え方が違うことに
やや混乱しました。
転職して、実際に開発・設計したエンジニアと、ご対面した時だったと思います。
この光マイクロについて質問した記憶があります(かつて綴りましたが、
キーエンス勤務時代に、その性能に思い知らされていたこともあって、
ベストセラー作家と面談する気分。
ウキウキもありますが、大変緊張した記憶があります)。
その際、その開発・設計のエンジニアの方々に
紳士的に、とても丁寧に対応頂いて、いたく感激いたしました。
最小読み取り値=【分解能】について
読み取りできる最小の値を【分解能】と呼びます。
ここで、アンリツのエンジニアの方から教えられます。
確かに【分解能】は性能の項目として挙げることができるでしょう。
(今回とりあげている表示部では、0.01μm単位で読み取りが
できます)。
但し【分解能】は、あくまで
いかに小さい桁を読み取れるかということです。
極端ないい方ですが、その読み取った値と
その値の正確性との相関がなくても良いわけです。
(開発・設計担当者としては、さらに桁の小さいLED表示を
増やすだけというのは簡単、でも意味が無いこと)。
むしろ、読み取る値の正確性(精度)に注目すべきではないでしょうか?と。
では精度に関わる、その重視すべき項目(性能)とは?
カタログに記載される
直線性と
繰返し性であります。次回以降に綴って参ります。
お問い合わせに対応するだけで受注できる強さ
当時のアンリツは広告宣伝にも注力し、転職した時点で既に、
この新型(高精度・低価格)となる光マイクロの認知度は
相当高くなっていたと思います。
キーエンス在職中の癖(>>>キーエンス営業担当者外出のルール)で、
私個人として、連日の訪問外出をしなかったと思います。
そのおかげか、お客さまからのお問い合わせの他、
担当者が外出中の各営業拠点への、
お問い合わせに対する臨時サポートとして、
即時の対応ができました。
(まさに、他社に発注直前のお客さまからの連絡が多々ありました
結果的に社内にいて良かったのです)。
アンリツのカタログを、ご覧になってのお問い合わせですが、
ほとんどのお客さまは、キーエンスもしくは
その他の企業との比較検討をされています。
お客さまの本音は、
『他社と比較して、アンリツの光マイクロは何がいいのか?』を
お知りになりたいのかも知れません。
しかし、私は比較云々などは、ひとことも話しません
(実際、そんな必要も無かったのです)。
基本は、アンリツのカタログに記載されている性能(項目)について、
きちんと説明するのみです。
それと、性能項目他について、カタログに記載されている以上の
(キーエンス時代には経験の無い)深堀された内容の質問が、
いくつかありました
事前に、エンジニアとのやり取りの際、レクチャーを受けていたこともあって
正確な回答ができたのですが、若しやこれが勝ち抜く秘訣?と
発見があったりしました。
とにかく、以上の対応のみで、
翌日あるいは数時間後、あるいはお電話で対応している時点で、
お客さまが【購入を決定される】というケースが続出。
とにかく【すみやかに】・【たくさん売れる】を実感しました。
ただただ、その製品力(アンリツの技術力)に驚かされたのであります。
当時の正直な感想
光マイクロ®。いわゆる【レーザ光を用いた非接触変位計】って、
こんなにたくさん売れるものなの?
なお、文中の 光マイクロ® はアンリツ株式会社の登録商標です。