本日は、平成29年(2017年)3月25日土曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 元キーエンス社員、中小企業診断士の立石です】
本日のテーマと関連いたしますが、過去に「営業実績の見える化」の記事
(かつてキーエンス勤務時代の記憶)も綴っております(当該記事はコチラをクリックしてください)。
現在、業務の可視化が流行(はやり)なのでしょうか?さまざまなシーンで導入されているようですね。
可視化については、学問としての深い領域や様々な定義があるようですが
経営上、明らかになっていないものを数値化、見える化でクリアにして、
その後のアクションに活かし、業務の改善や業績伸長を目指す活動も含まれるようです。
もちろん、可視化は民間企業の営業部門では珍しくないことです。
例えば、売上予算の管理。
身近なところで、皆さまが顧客として、自動車ディーラーや保険会社の営業所を訪ねられた際に、
ふと目にされた方もいらっしゃるかと思います。
来客用の席からは遠ざかった事務所奥に、契約件数または金額でしょうか、
営業担当者の実績数字がホワイトボードに記入されていたり、
棒グラフがあったりもしますね。
(私は、会社勤務時代に営業経験がありますので、やはり気になります)。
また、目標を達成されたのでしょうか、時には大きな花のマークを貼ったりされている光景も目にされると思います。
実績(数字)は、評価(良い・悪いの判断)の基準・指標ともなります。
実績とは別に、営業部門においては契約件数や売上の実績以外にも管理項目があります。
例えば、現時点での進捗率(=売上実績/目標予算)や、
達成までの残り数値:差異(目標予算との差)等も数値化して、
実績と同様に掲示する(見える化)ことも一般的だと思います。
進捗率や差異という項目も可視化することで、営業担当者の方に常に数字意識をもって頂く。
それは、更なる積極的な活動を促すなど、目標予算達成(業績伸長)を目指す仕掛けでもありましょう。
先に申し上げますが、以上の実績や進捗率(売上実績/目標予算)、
そして差異(目標予算との差)という項目で管理することは、ごく一般的でロジカルな手法です。
私が勤務していたキーエンスも例外ではありませんでした。
また、当時のキーエンスでは、これらとは別に独特の管理項目がありましたが、
もちろん、誰もが認める論理的なものでありました。
ロジカルとは言い難い「可視化」の手法:「営業担当者のプロセス評価」
今回、「可視化」で留意したい点も綴ります。具体例として、営業担当者のプロセス評価に目をむけてみます。
売上実績のみによる評価では、営業担当者から不平不満がでるということで、
売上実績以外の項目を可視化項目として追加。点数化して見える化する(営業担当者本人にも示す)手順です。
その点数を賞与や昇給にも反映させる、さらに、点数の低い項目を改善する効果も期待する・・・
営業担当者のプロセス評価自体は、決して悪いことでなく、私も賛同いたします。
但し、その手法が以下のようなら、プロセス評価自体を実施されない方が賢明です。
科学的なようで、非科学的な可視化の事例(営業担当者のプロセス評価の場合)
営業担当者のプロセス評価項目(採点は直属の上司が実施)
・積極的な営業活動を行っている・・・5点満点
・長期的な視点で営業活動を行っている・・・5点満点・・・etc.
点数化というのは、どのような項目でも可能ですが、
上記の手法はロジカルとは言い難いですね。
その理由は、お気づきの通り、採点者が直属の上司であることです。
採点にあたり、上司の「好き・嫌いの要素」が入ることを排除できません。
公正な評価につながるとは、考えにくいのであります。
さらに言ってしまえば、点数の基準が不明確です。
仮に、5点を「非常によくやっている」
4点を「よくやっている」・・・と定義した場合。
直属の上司が採点しないとしても
何をやっていれば、「非常によくやっている」(5点)となるのか?
こちらも、公正な評価には遠く及びません。
この手法の効果は、「(何かの)数値化に成功した」という点だけかもしれません
(厳しいようですが、単なる自己満足のみと解されても、仕方がないと思います)。
また、数値化できたとされる値が、その後の営業担当者の活動の改善に役立つかは、甚だ疑問です。
さらに、効果よりも大きな問題も発生しそうです。
ズバリ、営業担当者の不満、モラール(士気)の低下です。
「良い・悪い」の価値判断の基準は「客観的な項目・数値」
先に綴りました、営業部門で採用されている管理項目、
(契約件数や売上の)実績
進捗率(=売上実績/目標予算)
差異(目標予算との差)は、
すべて主観(人の好き嫌い)が入らない・主観が入る余地の無い、客観的な項目・数値です。
その客観的な項目・数値によってなされる価値判断(良い・悪いの評価等)こそが、公正さを保つロジカルな手法なのであります。
ただ現実として、営業担当者の評価制度(特にプロセス評価)については、
上司の関与(好き嫌い)を、完全に排除することは難しいと思います。
経営コンサルタント立石が提案する営業プロセス評価の手法は、
なるべく客観的な数値項目を採用して、主観的な要素が入る余地を
極力小さくしている点が特徴的だと思います。
「叱責や怒号と決別:ロジカルな営業マネージメント・評価制度」というメニューがございます。>>>こちらの(第10回)がそれです。
・・・ほとんどの企業で受け入れられる・簡単に実践できる独自の手法です。
(経営コンサルタント立石のノウハウでもあります)。
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