本日は、平成26年(2014年)3月16日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。昨日に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)
どこの会社でも、経営幹部が口を揃えて「お客さま第一主義」とは口にしますが、本当に全従業員にまで徹底されているでしょうか?ふとそう思うことが多々あります。こんなことを申し上げるのも「お客さま第一主義」を標榜しながら、実際のところは疑いたくなるような会社が、世間に相当数あるからです。
私自身も何度も経験しているのですが、購入する側(お客さま)が、販売窓口の営業所に問い合わせの電話をしたところ、来客対応中や離れた会議室にいるのならともかく、電話のすぐそばで「(社内メンバーによる)ミーティング中」という理由で、担当者が電話にでないことが不思議で仕方がありません。
キーエンスの営業所では、営業時間内、残業時間を問わず、すべて外線(お客さまからの電話)が優先。社内間の通話中でも例外なく外線優先。電話の相手がたとえ本社の上司や事業部長であっても「外線入りました」と電話を切り、すぐにお客さまからの電話に出ます。これは在職中の営業所では当たり前の光景でした。そして定時後の勉強会や会議に参加していても、もちろんお客さまの電話には、きちんと担当者が応対します。指名があった場合、保留中の電話機にも駆け足で向かいます。ちまちましていたら「早く!」と怒声を浴びます。お客さまを待たせてはいけないのです。
また、私が勤務していた当時、キーエンスには「支社や支店」という名称の拠点は一切ありませんでした。お客さまの窓口はすべて「営業所」でした。創業者曰く(ダイヤルインが、現在のように広く普及していない当時の)世間一般の会社の「支社や支店」では、連絡は代表電話宛であり、敷居が高いようでお客さまが電話をかけにくいのではないか?「営業所」なら、少人数で担当者に即つながるイメージがあるとの持論を展開されていました。私は当時、これにも感服した次第です。
創業者の講話の中で「賞与の明細」は、営業所の責任者を通じて、みなさんに渡すことにしているが、決して責任者に頭を下げてはいけない。お客さまから頂いている旨を感謝してください」と指示されたことがあります。お客さま第一とともに、営業所長に余計なパワーをもたせない意味でも、きちんと機能すればの話しですが適切な内容です。
以上のようにキーエンスでは、口先だけではない「お客さま第一主義」が全従業員に徹底されていました。即納もそうです。顧客満足度を高めて業績を上げる。これは経営の基本的な部分で、是非見習いたいものですね。
※『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。