本日は、平成27年(2015年)8月30日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
土日・祝日のテーマは「バラエティ」で、私が新卒で入社した株式会社キーエンス関連の話題です。 当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。キーエンスを退職して、当時のライバル会社に転職した後も含めて、最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)
先日、ある方からご連絡を頂きました。「よろしければ、お受け取り頂きたいモノがあります・・・」。かなり以前から、私のブログをご覧になっておられたようですが、15年以上ご無沙汰している方です。そのお相手は、アンリツ勤務時代の顧客であった社長さんです。ご指定場所で待ち合わせました。
この社長さん。製造業を営まれていたのですが、昨年、社員全員が60歳代半ばを過ぎ、全員同意で引退(円満な廃業)を選択されたようです。みなさん「悠々自適へ転身」・・・羨ましい限りです。
事業所撤収の際、すべての書類を処分されたそうですが、会社勤務時代に私がセールスを目的にお渡しした「アンリツのカタログ集」のファイルだけは、保管し続けられたとのことです。
お目にかかった当日、その現物を譲りうけました。
「古くなっていますが、何かの思い出があるなら、ブログのネタにでも」とのお優しい配慮です。
書棚に保管されていたとのことですが、さすがに年季が入っていて、写真の通り相当くたびれています。
ところが、中に綴られているカタログの一部の保管状態は、すこぶる良好です。20年以上前の機器です(おそらく製造中止になっているかと思います)。ただ「懐かしい限り」です。思わず「嗚呼(ああ)」と唸りました。
当時、アンリツの優秀な開発・設計エンジニアとスクラムを組んで、誕生した複数の製品が掲載されています。
対キーエンスをメインに、複数のライバル会社との受注競争時代を思い出されます。
製品化にあたっては、エンジニア部門だけでなく、もちろん営業部門でも、後押しして助けてくださる営業部長や先輩がいらっしゃいました。キーエンス時代、そしてアンリツ時代ともに私の会社勤務時代は総じて、周囲の方に恵まれ本当に幸せだったと思います。
新商品の企画:キーエンスとアンリツの違い
既に綴りましたが、キーエンスでは直販営業担当者が、お客さまのニーズをヒアリングして本社へ提出することが必須業務でもありました(コチラをクリックしてください)。
ただ当時の記憶として、提出したニーズが実際に製品化されるか否かは、営業部門、各営業担当者は関与できませんでした。営業担当者の使命は「既存の商品と、ラインナップされる新製品を売るのみ」です。
転職先のアンリツでは、営業担当者がお客さまに直接訪問してニーズの獲得・共有するという仕組みは、キーエンスと同じでしたが、情報をだした本人(例えば私)も関与する形で、新製品の開発・設計が進みました。
営業部門に籍を置きながら、マーケティング業務に直接関与させて頂くこととなったのです。
アンリツに転職して、高給のキーエンス時代より、もちろん収入は下がりました。しかしながら、新しい業務経験させて頂くと、正直「収入なんて関係ない」の域に達します。「やりがい」とは、このことに違いありません。
ありがたいことに、転職して直販営業を拝命して1年が経過した頃から、商品企画にも関与させて頂きました。最初に携わった機器は、エンジニアが開発した性能の根幹となる要素技術(特許技術もあり)での優位を、さらに強化するものです。
お客さまから、「こういうのを待っていました」、「言われてみれば、こういうのが必要」と、製品力でキーエンスに対して十分対抗できるものでした。
いまや古くなったこのカタログ。一般的には価値の無いものかもしれません。それでも、せっかくのご好意で頂いたカタログです。私にとっては宝物です。元社長さんのリクエストにもお応えするためにも、この”宝石”を使って、おそらく現在も通用する「高付加価値商品の商品」に必要な視点を、順次綴って参りたいと思います。
私のプロフィールで、私のコンサルティング範囲が、営業部門の強化のみならず、「参入市場~商品企画・製品開発~販路開拓(営業部門強化)~アフターサービスまでの全段階」で、ワンストップ相談対応できる裏付けは、その当時の経験もベースになっています。
※『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。
出典
写真 アンリツ株式会社 「精密寸法計測機器」 カタログファイル