本日は、平成26年(2014年)1月8日水曜日

【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

新しい年を迎え、新しいビジネスを検討されている方も多いと思います。寒い冬は頭がスッキリ働きますので、いろいろなアイデアがでる時期でもあります。私は、起業したい方からの相談に対して、安易に独立をすすめておりません。意外に思われるかもしれませんが、独立した後、いとも簡単に事業が頓挫する場面を何度も見ています。それ故「起業を辞める選択」も提示します。起業ブームも結構ですが、借金だけが残ったというのは悲惨です。また、長年にわたり会社にお勤めになっていらっしゃる方が独立する場合、補助金を利用して果敢にトライしたものの、事業が破綻して「会社を辞めなきゃ良かった」と後悔することがあります、いまのご時世、会社員時代の元の収入を確保できる就職先を見つけるのはとても困難で、モッタイナイからです。

創業に際しては、事前にしっかり考えておくことが重要です。身近な業態の一例です。飲食業でいいアイデアをお持ちの方も多数いらっしゃいます。お話を伺うと、なるほどと納得させられる『価値のあるお料理とサービス』を考えている方も。たぶん私より、専門分野が深いので正しい方向だと思います。開店すれば、人気のレストランになりそう予感がします。私は製造業(開発設計から販売、アフターサービスまで)をメインにしているコンサルタントなのですが、飲食業(レストランやカフェ)で独立をお考えの方にも、同じ質問をします。必ず伺うのは「競争」への対応です。

出店して行列がでるほど人気がでた直後に(具体的なブランドは今回書きませんが)「全国チェーンの激安弁当店」と、同じく「全国チェーンの廉価な定食店」が自店の左右に同時開店したら、どう対応されますか?と質問いたします。10人中9人の方は「そんなことはありえない」「うちは味に自信があるから、値段競争にはならない」、あるいは「沈黙(想定しなかった、あるいは回答できない)」となります。残念ですが、正直いって事業が長続きしないパターンです。競争は好むと好まざるとにかかわらず、儲かるところにライバルが必ず出現します。そして低価格という武器で中小事業者を一気に蹴散らすのが通例です。

一方、稀に対応策をきちんと考えている方がいます。激安の他店が出現した場合、価格競争に打ち勝つ戦術をお持ちです。こちらは、独立して果敢にトライされる価値があります。

経営コンサルタントの業務の中で、創業支援は重要ですが、資金調達してハイおしまいというのは感心できません。資金調達はあくまで経営の手段のひとつにすぎません。独立・起業に際しては、資金調達の後も具体的に助言を行える経営コンサルタントとお付き合いされることをオススメいたします。私見ですが、「経験」・「人脈」・「悪いことも正直に提示する」あたりが目安でしょうか?