本日は、令和7年(2025年)4月16日(水)
【マーケティング&セールス/B2B(BtoB:企業間取引)
製造業(卸売業)専門の経営コンサルタント(中小企業診断士)、
元キーエンス(→アンリツ)社員の立石です】
本日も【法令を守る(ブラックではない)企業】
かつ【B2B】・【製造業】に【正社員】で勤務
そして首題の通り
【経営者の方】に対しても提言いたします。
キーエンスの新入社員(新卒者)教育の基本をもとに、
新人への初期教育は、【短期間での育成】・【最初が肝心】を語ります。
現在も、私が新卒入社した1987年当時と、大きく変わっていないと思います
(キーエンスの教育手法の概略です)。
過去に綴りましたので再掲ともなりますが、さらに整理しています。
超速ともいうべき【短期間での育成】
4月本社研修
前半はビジネスマナー 後半は商品の勉強(座学と実機操作)
・・・学生気分が抜けない、しかも完全文系の私は、さほど興味がなく不真面目な方だったと思います。
転勤ガチャ
GW中に全国の営業所(当時、北は仙台、南は福岡まで)に転勤ガチャ。
・・・珍しかった関東の大学出身者数名は、東京と横浜の営業所に配属。
関西は大阪に2営業所あるのみで、大半が出身の関西付近で勤務したいという希望などは、一切通らない状態でした。
5月の連休明け
営業所には初出勤。本格的な研修が始まります。
当時は、休日出勤無しで、残業代は支払われましたが、長時間労働。
新卒者を受け入れる体制は、完全とはいえず、
営業キャリア(中途)入社の方への教育と同じ(営業の基本は、熟知しているとの前提・・・厳しい~)。
何せ実機操作以外は初めてのことばかり。
たとえば用語(【モノ】【伝票】【指定伝票】【未検収】。
さらに【OEM・・・これは当時のキーエンスの勘違い用語です、現在勤務されている方には、なじみがないはずです】・・・・)
とにかく、(何のこと???)
営業所でも【さんづけ】は、徹底されていましたが、
新人の私宛に「立石さん」と呼ばれるまでは尊厳があるのですが、毎回ギョッとしました。
何せ、続く言葉が、何を怒られているのか意味不明の叱責の日々。
・・・後に先輩方も気づかれて反省、「そうだ、立石は中途でなく新卒だ。わからないのは当然だ」に至りました。
といっても、一度指導受けた内容は、即修正が鉄則。同じ失敗には、叱責が待ち受けています。
6月から7月頃
担当事業部と所属グループが決定。
以降、グループ内での教育・指導。
先輩を顧客役として、デモ実演を含むロープレ、先輩と同行訪問。そして単独で訪問活動。
ただし飛び込み訪問は一切なく(厳禁)、取引実績の無い過去引合顧客への、電話セールス、デモ機の実演訪問、
無料貸し出し、フォロー訪問で受注を目指します。
もちろんキーエンス名物のガイホー(安易に顧客訪問できないルール、
外出報告書を作成しての訪問前日の申請、訪問後の結果報告)、
顧客のニーズフィードバック等々という手順も叩きこまれます。
さらに、連日の朝・夕礼、月3回の販会会議
(最終回はエンドレス反省会か、会議無しの早々退社の達成を祝うグループ懇親会)、
そして勉強会等々は、先輩方と同じ参加が必須となります。
以上のウォーミングアップ期間に、いわゆる休眠顧客から受注できるケースが少なからずあります。
同期の中で、6月には初売りの担当者がでたような・・・
下期開始の10月に本格デビュー
所属グループの先輩と同じく、担当事業部の製品と担当地区を与えられ
活躍(もちろん予算必達)を期待されます。当時、同業者で入社して1年も経たずにデビューの企業は僅少かと。
短期間での育成とともに重要視された【最初が肝心】
確か、当時の幹部あたりから、先輩社員の方々に
「新人が良くも悪くも育つには、最初が肝心」という、
ゲキが飛んでいた記憶があります。趣旨は、いい意味での習慣をつけさせる。
当時は、現在のような高い偏差値の超一流大学卒の者が、ポツリと少なく、
しかも、いまでいうコスパの低い新卒者が短期間で成長、その後の業績伸長を支えたのは、
【最初が肝心】の成果のはずです。
何せ、新卒者のほぼ全員が、外出中にサボることをしない
(キーエンス創業者が最も忌み嫌う「時間を盗む」とは無縁)。
そして、創業者が考え抜いた、例外のない方針→おなじみの【行動指針】
・・・一字一句、句読点も間違わずに暗唱し、記述できる(新卒入社した同期40数名全員が、入社初日の筆記テスト、全員が満点)。
【初公開】当時の営業担当者の離職率
余談ですが、中途採用の方からは、以上のキーエンスの初期教育には舌を巻いたと、
よく聞かされました。
特にガイホーの制度(息抜き外出ができない云々)。
初公開ですが、当時、前職が厳しい会社(いまでいうブラック企業)から
セレクトされたはずの中途採用者の方が、新卒者より離職率が高かったです。
結果、定着率は新卒者の方が高い・・・これも創業者が新卒採用にシフトした要因のひとつです。
【洗脳だ】の批判に対して
いろいろな意見があると思いますが、ここで私見を。
「新卒者中心の採用は、とかく洗脳しやすいからだ」という、
何だか批判めいた意見もあると思います。
ただ、キーエンスでは、創業者崇拝や宗教色などは一切皆無。
言葉の選び方で、洗脳=修得に変えた方がよいと思います。
キーエンスでは、入社後早期に
【高い報酬を得られる手法】=【高いモラル(道徳)とモラール(士気)の高い金儲けのルール】を
身に着けるわけです。
実際に修得できると、その後の転職、とりわけ独立の際は、仕事に対する心構えの点で優位だと思います。
私も、役に立ちました
一例ですが、最初に学んだ行動指針。
退職後キーエンスを再研究した際、キーエンスの行動指針は、
ビジネスという視点では、全く非の打ち所がありません。
それゆえ、40年近く経った現在でも、正確に覚えています。