本日は、令和2年(2020年)5月11日(月)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

厄介な新コロナウィルスで、顧客への訪問が【自粛(または禁止)】という
抗うことができない外部環境の変化。

その現況下、
【汎用品】かつ【リピート品】の販売を展開する、
B2B(企業間取引)企業の、今後について私見を綴っています。
訪問の代替となる、セールス手法の2回目となります。

【汎用品】かつ【リピート品】の受注活動は、
一見『ルーチン業務』でもあります。
自動化・無人化(ECサイト開設等)で、
営業担当者人員の縮小・不要(リストラ)論にも
結びつきますが、前回綴りました通りのリスク(獲得できる利益の変動)があります。

もうひとつのセールス(原点回帰)の手法

逆戻りしますが、私が勤務していた1980年代後半の、
キーエンスの営業部門で、訪問とならぶ重要な業務が該当します。
それは、すべての顧客対応プロセスを【電話で完結させる】手法です。
訪問アポイントだけでなく、長期継続フォロー、受注直前のライバル会社と競合案件を制して
電話セールスのみで、受注を獲得する手法でもあります。

仮説(買い手の利便性)
訪問不可、お客さまの発注手続き(手間)を解消に
定期的な電話フォローセールスが、重宝されるかもしれません。

仮説(売り手)の利便性
リピート注文の維持と、ライバル会社の動向は
把握しやすいはずです。
ECによる運用より、獲得利益の減少を抑えられるかもしれません。

営業担当者が不要になる???

お客さまの利便性を高める
リピート注文獲得の為の「御用聞き電話」の業務だけなら、
営業担当者が必要ないかもしれません。

但し、【汎用品】で必ず存在するであろう
ライバル会社の姿がチラつくと、そう簡単ではありません。

突き詰めると、リピート注文の顧客相手でも
深堀したスキル・ノウハウが必要

私が勤務していた当時のキーエンスでは、
現在よりはるかに、広い担当地区を少ない人数で対応していました。
パワーの問題で、訪問のみならず電話も重要なアプローチツールでした。
電話のセールススキル(折衝力)は、必須であったわけです。

対面しての折衝と違い、電話では
さらに【正確】で【迅速】なやりとりで
【その場】でクロージングすることが求められます。

特に、よくあることだったのですが、
同等品を有するライバル会社が、逆転を狙い
お客さまにキーエンスより安い価格で提示した場合の
対応が、重要なシーンです。

同等品の低価格提示に対して、
キーエンスは値引きで対応するか?

皆さまが、この値引き交渉のシーンに直面していると
仮定して考えてみてください。

↓  ↓ ↓ ↓  ↓

 

正解は『どちらとも言えない』です。

つまり、
・ライバルより安い価格で提示する場合もあるし、
逆に、
・全く、値引かない場合もある
(どちらの選択もロジカルで妥当な対応となります)。
・・・いずれにせよ、キーエンスは、ライバル会社との競争に勝ち、
ほぼ確実に受注します。

このスキルは、属人的なものでなく
キーエンスの営業担当者であれば、配属1年以内に
ほぼ全員が修得しているはずのものです
(もし、体得していなければ、キーエンスでの存在価値は無く、
自ら会社を去ることになると思います)。

対面セールスを行う企業において、
従前の訪問スタイルはもちろん、
今後、テレビ会議による交渉等という営業手法に変化しても、
希少価値のある営業担当者(生き残る人材)とは、
上記のキーエンスと同じスキル・ノウハウを、
有している方だと思います(ロジカル塾でも同じ内容を話しています)。
皆さまの会社では、営業担当者全員が同じ対応で
競争を制していますか?

【折衝力向上】・【値引きを回避して競争を制す】営業担当者の育成

上記のスキル・ノウハウは、
オリジナルのテキストを活用した、ごく短期間での研修・セミナー・コーチングで
誰もが簡単に修得できます。
お困りなら、是非ご相談ください。

次回は、汎用品と正反対に位置する【受託開発品】(固定顧客)のセールス部門。
顧客への訪問が【自粛(または禁止)】の現況下で、
今後の対応策と変化について、綴りたいと思います。
働く営業担当者の方にとっては、少々衝撃的な内容になるかもしれませんが。