本日は、令和2年(2020年)2月24日(月)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
下記は前回の再掲です(有望引合以降も記載)
当時のキーエンスには、現在と同じくナポレオンのような偉大な創業者がおられました。
その洗練された施策に勝つには、知恵を寄せ合うメンバーの集合体で対抗せざるを得なかった
現実がありました。
約30年前、キーエンスからライバルのアンリツに転職。
キーエンスと同様の直販営業を行ないつつ、圧倒的に増えた業務がマーケティング。
対キーエンスとの受注競争を、有利にするツールを開発しました
(当時は、チラシ、提案集などと呼ばれていたと思います。
“リーフレット”は、その後に出た用語であったはずで、
もちろん“コンテンツ”は、一般化していません)。
当時活用したこれらのツールは、現在のMA(マーケティング・オートメーション)に用いられる
ホワイトペーパーの原型であったことに間違いありません。
強いライバル会社がいると、自社のマーケティング手法も進化、新しい発見もあり
さらに工夫されていきます。
そして売上高伸長・受注競争に勝つ法則めいたルールについては、究極の域に達します。
ただいまは、伝達の手段が変化しているだけで、当時の業績伸長のルールは
現在も、そのまま活用できるのであります。
(回避できない)営業担当者のバラツキ。その現実での最善策こそが
【ホワイトペーパー】の作成・活用
勤務時代の経験を何度か綴りましたが、
キーエンスでは、教育体制の充実もあって、
全営業担当者のスキル・ノウハウについて、ほぼバラツキがありません。
主に、自社の製品知識(カタログ・取扱説明書の内容と担当製品の操作も、ほぼ完璧にマスターしていること)、
ライバル会社の製品知識(もちろん競合時の勝ち方も学びます)、
さらに、お客さまの研究等・・・に関することです。
ただし、教育されるという受け身だけでなく、常に『自ら学ぶ』ことが求められます。
残業時間は、顧客との接待交際は禁止であり、職場のメンバーで飲み会というのは、
ほぼ皆無(連日、21時台まで残業となると体力的にも無理かと)。
キーエンスでは、その時間を、担当製品グループ毎の全員参加の勉強会にも
充てていたわけです。
必然的に、全員のスキル・ノウハウが上がるというわけです。
話は変わりますが・・・
最近の就活中の学生さんは、以前にも増して【接待】【飲み会】拒否という流れが
増えてきていると思います。ただ、【接待】について、やや誤解があるようです。
接待→受注(受注の為に宴席で頭を下げる)という流れだと、勘違いされているのなら、
とても残念だと思います。その辺りは、別の機会に・・・
話しを元に戻します
一方、当時のキーエンスのライバルとなる会社のほとんどは、正反対だと思われます。
キーエンスの営業担当者は、全員70点以上(70点以下は、自主的に会社を去ります)。
ところが、世間一般の大多数は下記のバラツキがあるはずです。
80点 2割
60点 6割
40点 2割の構成・・・
キーエンスのような高い年収は期待できませんが、
会社として経営は成り立つ場合が多いので、人が去ることもありません。
(但し、マイナス点という方が存在すると、もちろん壊滅となりますが・・・)。
勤務していた当時のアンリツも例外ではありません。
キーエンス以上の、スキル・ノウハウを持たれた凄腕の営業担当者がいる一方、
だれもが『?』って方の存在。
キーエンスほど多頻度ではありませんが、定期的に商品開発担当者から勉強会も
開催されました。
ところが、理解度云々の前に、『学ぼうとする意識・姿勢』にも、
相当にバラツキがあったと思います。
当時のアンリツは、全国にキーエンスを上回る営業拠点数がありました。
故に、地域密着という強みがありました(業務の勉強しなくても良しかも・・・)。
対して、後発のキーエンスは、専門知識を備えた営業担当者による、情報提供
というアプローチ手法を採用します。
それには勉強が必須。
勉強しないと目標予算が達成できません。
つまり、勉強せぬ者は会社を去るのみなのです。
当時の受注競争
当初は、キーエンスより10数年先行するアンリツの高精度 VS 後発・小型・廉価
のキーエンス。
そして、
私がキーエンス勤務時代に、アンリツが廉価・小型・更なる高精度の新製品を投入
しました。
キーエンス勤務時代に、所属の販売グループでは、何とか競争に勝つシーンが
ありましたが、すべて『辛勝』。楽には勝てません。
きっと、アンリツが全国的に余裕で出荷台数を増やしているのだと推測していました。
ところが、転職してみたら、伸長はしているものの、実績は予想外に低調だった記憶が
あります。それが打開されます。
またも人生の幸運
優秀な先輩に恵まれて・・・
私の転職一年目、ある競合する主力機器。
私個人の販売台数は、キーエンス勤務時代に比べて『3倍以上』。
ほとんどの案件が、キーエンスとの競争案件。
また、別のメンバーも、アプローチ手法が、
やや異なるもののキーエンスに圧勝・・・。
その頃、所属した部門の先輩(読書好き・頭脳明晰・キーエンス時代には存在しない国立大卒の方)が、
他機器の兼任から、私同様に販売の専任となられました。
この方も『価格・精度・ブランド』の全てで勝っているのだから、
もっと売れるはずだろう・・・と、私同様のことを考えておられました。
そして、かつて綴りました頭脳明晰の営業部長が赴任されてから、
先輩が気付きました。
『うちのメンバーが、お客さまに話していることをカタログに盛り込もう・・・
そうすれば、展示会に来訪されたお客さまへのフォロー活動で
営業担当者のバラツキがあっても、キーエンスを簡単に圧倒して、全国的に売上伸長するはずだ』と。
これは、いまでいうホワイトペーパーとして独立して活用できる資料を、
カタログに盛り込むという手法です。
そして、営業部門で「初」となる、カタログ制作に取り組まれます。
ところが、世間と等しく、アンリツにも無責任な批判をする人がいます。
「こういうのはカタログではない。本筋からそれている」という攻撃も
ありました。
先輩は体を張って「過去の踏襲は、旧態依然で変革は無い。
カタログで有ろうが・無かろうが、売れることが一番肝要」との持論を展開。
その場で、声には出されませんでしたが、
その表情は(売れりゃいいんだろ、外野は黙ってろ)といった
まさに鬼気迫るものがあり、思いつき程度の発言である相手方に
反論の機会を与えません。
完成された“ホワイトペーパー入りのカタログ”。
結果は、全国的に売上台数が急伸。
さらに、この優れたカタログ以外にも
現在でいうホワイトペーパーは適宜制作(『たくさん作れ』)。
その際、私に【ひねりの効いたキャッチコピー】の捻出を
何度も求められました。
同時期だと思います。キーエンスが、
同様のホワイトペーパーの類の資料による拡販手法
(キーエンス在職中には全部公開しなかった、独自のお家芸)を、取り入れたのをキャッチしました。
但し、作成には試行錯誤で得た一定のスキル・ノウハウが必要であり、
見かけは同じでも、内容については、当方に絶対の自信がありました
(もし、当初からアンリツに転職すると決めていたのなら、
おそらくキーエンスの上司にあたる責任者にも、全部秘匿していたと思います。
キーエンスでも、いずれ気づく人がいるでしょうが、後2~3年は、当方が独走だったはずです)。
運命とはわからないものです。
次回は、ホワイトペーパーと同様に重要な要素:見込顧客のリスト(上図参照)について綴ります。
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