本日は、令和2年(2020年)1月23日(木)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
本日のテーマは前回の続きです。
ついに終身雇用崩壊の時代?
昨年、これまで家族的経営のように従業員を大切にしてきた
某大手企業までが、【もはや終身雇用は無理だ】と表明されました。
ところが、冷静に考えてみると【終身雇用が無理】と発信しても、
ほとんどの企業が【終身雇用のまま、しばらく現状を変えられない】という現実があると思います。
現在、日本の企業のほとんどが、年功序列が崩壊しつつあると言っても
『(45歳以上の正社員は高賃金)横並び』のまま。
しかも、いったん根付いたことを変えることはできません。
他社が欲しがる優秀な社員【優秀な人材・コアとなる人材】の流出を阻止する策で思いつくのが、
当該社員の賃金をアップさせることです。
増えない粗利の中で、実現には、足手まといの社員(定義は40点程度でなくズバリマイナス点)の
給料を下げることです。
しかし、この施策は『不利益変更』とされ無理です。
【終身雇用】で【足手まといの社員が生まれてしまう】
いわゆる『旧来型企業』受難の時代
指名解雇ができない以上、マイナス点の社員に転進して頂こうと、
一時金上乗せで希望退職募集実施することになります
(あくまで話し合いという名目で、マイナス点の社員さんに
退職を【お願いする】しか方法はありません)。
ところが、裏で優秀な社員(希少な社員)の引き留め工作をしても、
一時金を得られるチャンスを逃しません。
まさに『渡りに船』で、去られてしまいます。
そして、足手まといの社員は、定年後も再雇用で会社に居座り続けます。
ただいまより以降、正社員採用を抑制(ゼロに)しても、今後20年は、
企業にとって、足手まとい社員の人件費負担から逃れられないことでありましょう。
打つ手無しの中での、ひとつの対策
今回も、私がいつも綴る『バラツキ』の話題となりますが、
高い報酬でスカウトされても、現状の低い賃金のまま、長時間労働といった中でも
辞めずに残る方がいます。
住宅ローンや教育費等、各ご家庭の諸々の事情も、
ほとんどの場合『高い報酬』で解決します。
好条件提示なのに、何故転進されないのでしょうか?
実は、このテーマ。過去(20年ほど前)ある会社から
私がヒアリングされた内容でもあります。
アンリツに転職した後です。
当時は34歳程度までで・専門スキル有りなら
年収がキーエンス並み(当時は1000万)のスカウトが基本。
30歳過ぎた直後、私にも数社依頼がありました。
勤務中に『(お客を装った電話で)休日に面談してほしい』と。
何度か実際にお会いして、条件を伺ったことがあります。
当時のアンリツ勤務時代は、キーエンスより長時間労働。
転職すれば、勤務時間は大幅に減り、休日出勤のタダ働きも無くなり
収入も相当アップします。
また、その他のくだらないストレスの原因は、一気に解消です。
フツーの感覚なら、即転職でしょう。
でも、当時の私は転職に興味が無かったのであります。
人材紹介会社から、
『何故、好条件なのに転職されないのですか?
どういう条件を追加すれば転進されますか?』と
ヒアリングされました。
これに私は『人を流出させないノウハウだ』と、
ピンときて、答えをはぐらかせました。
皆さまの会社でも、『好条件のスカウトが来ても会社に残る方』を
観察されることをおススメします。
これこそが、人材を流出させないノウハウであるはずです。