本日は、平成30年(2018年)12月21日(金)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

『B2B(BtoB)・訪問営業担当者のための総合レベルアップ塾
(仮称:【ロジカル塾】)』開塾を考えています

営業力のみならず、マーケティング、財務等の分野で論理的な視点も備えた、
希少価値のある営業担当者の育成が目的です。
もちろん、精神論とか根性論とは無縁、ロジカル(論理的)な内容に徹します。
開塾を考えるに至った経緯、カリキュラム、募集、
ルール(正直言って厳しいと思います)等について、
本日も、当ブログで綴ってまいります。
よろしければ、おつきあいください。
本日は、その3回目です。

まとめ:B2B(BtoB:企業間取引)訪問セールスビジネスの分野で希少価値のある人材(営業担当者)

あくまで私見ですが、ズバリ下記5要素全てをお持ちである、営業担当者の方だと思います
[1]【営業力がある】
[2]【マーケティング力がある】
[3]【何事にもトライする】
[4]【数字に強い】
[5]【論理的な思考ができる】・・・考えて発言する・考えて行動するにつながります

[1]~[3] 、特にマーケティング力については、さんざん綴ってまいりました。
キーエンスを退職して、ライバル会社のアンリツ入社後、社外のセミナー参加の話題等を
参照ください。
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あるいは、>>>コチラをクリックしてください。
よろしければこちらも、>>>コチラをクリックしてください。

本日は【数字に強い】人について綴ります

[5]の【論理的な思考ができる】人のほとんどが、持ち合わせていると思います。
ビジネスの場面で、数字といえば、
もちろん、損益計算書や貸借対照表の概略を理解していることが必要です。
但し、簿記の資格云々に注力する必要はなく、経営に関する数字に
強い方こそが、希少価値があるのです。

ある番組『損益分岐点なんて、低いレベルの話しだ』(知っていて当然だ!)と

私が独立した21世紀初頭だと思います。
番組名を思い出せないのですが、
独立志願者のプレゼンを聞いて、
出資するか否かという、しかも何故か怒号が飛び交うテレビ番組がありました。

ある回で「(計画している事業について) 損益分岐点の売上は?」の
質問に答えられない志願者がいて、
損益分岐点なんて、低いレベルの話しだ(話にならない)』と、
番組内で、罵倒されていたのを覚えています(厳しいな・・・と思いました)。
実は、損益分岐点を知らなくても、独立して成功している経営者は
多々いらっしゃいるからです。
ただ、営業担当者が数字に強くなると、論理的な思考に磨きがかかるはずです。

会社で一番タチの悪い人は?

何度も綴っていますが、
B2B(BtoB:企業間取引)製造業・訪問セールスビジネスにおける営業部門では、
2割の法則が成立しています。

かつて綴りましたが、例えば10名の営業担当者のうち
2名(2割)が、優秀(80点以上)
6名(6割)が、合格(60点)
2名(2割)が、奮闘希望(40点)という分布になります。
もちろん、営業部門以外でも同じはずです。
バラツキが無いのは、キーエンス(早期に全員が70点)だけなのでは?と私は思います。

では、40点の人の存在は悪?
高い利益を獲得するキーエンスでは、当然悪でしょうが、
私は、40点はもちろん、0点の方でも問題無いと思っています。
問題なのは、マイナスの点数がつく方です(他の方の成果を下げる、妨げになる)。

マイナス点の人物像は、いくつもパターンがあると思いますが、
その中でも『考えて発言しない』あるいは『考えて行動しない』人物も
該当するでしょう。
自分の存在感を示すことが目的なのでしょうか?
会議などで、考えたようなふりをして無駄な発言を連発する・・・
この手の人物の本音を知り、論破するには論理的な思考が必要です。

前述した損益分岐点がらみで、仮想の事例を綴ります。

たとえば、営業担当者のあなたが、
価格要求が厳しいお客さまむけの、オーダーメード品を受注するシーン。

くだんの外野から『本件は、原価率○●%以下で
受注してもらわないと困る、それより原価率が上がる(安売りする)なら、
利益が上がらない。受注を断れ』と釘を刺されます。
(今回は、提示された原価の妥当性は置いておいて、話を進めます)。

こういう指示には、新人の営業担当者でも、
利益確保のことを言っているんだな・・・
提示された原価率○●%以上で受注する(簡単に言えば安売りする)と、
赤字になるのかな???と懸念して、考えずに従う方向に進むことが多々。

ただ、この外野の人が、本当に考えて発言しているか、
まずは考察してみる必要がありますね。

そうです。提示された原価率○●%以下より、
仮に1%でも10%でも原価率が上がる(安売りする)なら、一体どうなるの?
利益率は悪化するが、多少なりとも利益(限界利益)は獲得できます。
安売りして利益が上がらないというのは、何の利益が上がらないの?
本件の利益率が、他の製品より著しく悪いという、それだけのこと?

受注金額にもよりますが、
実は、この手の指示を真に受けて、
例えば、わずか1%原価率が上がる(安売りする)ことを躊躇して受注を断る・・・
結果、全社通期の予算結果が、赤字に陥ってしまう場合もあります。

本件では、予算進捗状況や、現時点の工場の稼働状況等々、
(踏み込んで)考えて発言しているか?が問われるわけです。
以上のような、振れ幅を読める営業担当者は、間違いなく希少価値があります。

【論理的な思考ができる人】は、バカに嫌われる

余談ですが、
論理的思考を身につけている方は、話すシーンや相手を選ぶのが正解です。

キツイ言い方をしますが、
正直言って、バカには論理的思考は全く通じません。

まず相手が、何を話しているか全くわからないから、即の拒否から入ります。
損益分岐点?限界利益?
ちなみに、内容がわからなくても、
熱心に尋ねてくる方は、バカではありません(頭脳明晰な方です)。
当初否定的な相手方に、よく話し合って説得して一丸となったというビジネスの美談が、
時々あります。実は、その相手方は元々バカではなく、まともな方だったということに
過ぎません。

バカというのは、論理的に正しい内容が理解できないうえに、知ろうともしない、
感情的に反発する、あるいは『人間的でない思考はやめろ』といった情実に訴えたりで
本質をそらし、ごまかそうとする傾向もあります(ロジカルはダメ、人間関係が大事云々・・・)。
バカである理由は、もちろん偏差値や学力とは関係ありません。
入社後に努力(勉強)しているか否かの違い、たったそれだけのことです。

以上のような、論理的思考を持って発言する人の数は、どの会社でもバラツキがあります。
当然、反対に位置する、聞く耳もたぬ者(バカ)も存在します。
(全社的に論理的な思考・発言が好まれる企業は、キーエンスを含め少ないと思います)。
但し、経営幹部や管理職レベルの方には、ごく一部の例外を除き
当然、通じる話だと認識していいと思います。
留意すべき点は、考えて発言していない人物を論破するには、
話が通じる相手(上位の責任者)が同席しているシーンが無難だと思います。

初公開私がキーエンスの最終面接をクリアできた理由(私見)

1986年夏。円高不況で苦労した就活当時。
キーエンス(まだリード電機の頃)最終面接で、
創業者から質問を求められたと、過去のブログで綴りました
その模様は、>>>コチラをクリックしてください。
その当時、会社規模(300名程度)に不似合の大量採用だったので、
増員の基準について質問をしました。
(質問の趣旨は、どれくらいの規模を目指しているのか?
また、もしかして大量採用するけれど
早期に大量退職の会社かな?と懸念があったからです)

「成長しているとのことですが、増員について・・・」
対して、創業者が冷静に語ります。
『当社は増員について、商社のように、ひとりあたりの売上高を重視していない。
あくまで、ひとりあたりの営業利益を重視しながら、増員を検討しています』
→入社後、先輩方はこの質問が、合格した理由だ!よくぞ聞いたと(創業者の信念と合致)と
おっしゃていました。

もう少し、当時のこと思い浮かべてみます。
ひとりあたりの営業利益を重視するに続いて、
『利益率の高い商品を展開している。そして、最少の(資本)と人で・・・』
(つまり、固定費を極力低く抑える企業だと理解しました)
お話をされている途中で、頭の中でまとめたところ、ピンときました。
『どう思われますか?』と逆質問されて、
しどろもとろでありましたが、当時は経済学部の学生だったので、
思わず【損益分岐点を低く抑えられますね】と話しました。
そこで、冷静に話されていた創業者が、
突如大きな声色で『損益分岐点、その通りです!』と、
大きくうなづかれました(完全にリンクできた瞬間たど思います)。
・・・急成長を目指すとはいえ、慎重な増員。実はとても堅実な会社だと理解できました。

面接の最後に、創業者が隣の人事担当者責任者に
「○○さん、何かありますか?」
対して、人事の責任者が即座に、私に『すみやかにご連絡いたします』。
面接終了後、一礼して通路に向かって歩き、チラッと振り返れば
おふたりの後ろ姿が見えました。
創業者が、隣の人事担当責任者に何度も深くうなづかれていた姿を
拝見しました(だぶん合格したな・・・と感じた一瞬です)。

仮称【ロジカル塾】では、以上のような数字に強くなるエッセンスも
取り入れて参りたいと思います。