本日は、平成30年(2018年)10月2日(火)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
営業担当者(特に営業経験無しで中途入社された方や、
新卒入社の方)のレベルアップについて綴っております。
前回、
営業担当者への熱心な教育で、
業績を伸長させている会社の実例も上げました。
一方、世間では営業担当者の教育に熱心ではない会社も
少なくありません。
いつもブログで綴っておりますが、
「バラツキ」は、世の常です。
営業担当者を教育しない理由は、
「営業担当者の教育は、挨拶や名刺交換などのマナー教育程度で十分」
「営業の強化?うちは製品力で勝負していますから」
「うちの社員は、勉強やら努力とかしないから」、
等々です。
そして、会社ごとに営業担当者に対する教育への熱心さについて
「バラツキ」があるのと同様、
働く営業担当者の側にも、「バラツキ」があります。
営業部門では、入社早々真剣にレベルアップに取り組む社員がいる一方、
何年たっても全く無関心な方まで、さまざまです。
自身のレベルアップに無関心な営業担当者。
そう考える理由のひとつが、「現在が安泰だから」のようです。
(いま現在は、これを【根拠なき安心神話】と言い切っていいと思います)。
つまり『会社の業績が取り返しのつかないほど低迷しない限り、クビにはならない。
そんな業績低迷なんて、絶対に起こり得ない。
よって、レベルアップなんて無駄なこと』という
【誤解か錯覚】であります。
誠にお気の毒なことなのですが、
以上のような錯覚をされている方に対して、
いくら外部から意見しても、聞き入れられないという現実があります。
相手を思う忠告も、単なるおせっかいととられるだけです。
毎月、確実に(あたりまえのように)給料が振り込まれている以上、
思考を変えることは難しいことかもしれません。
それでも、本日はブログを通じて
あえて意見具申させて頂きたいと思います。
実際に、過去を振り返ると、
起こるはずがないはずの外部環境の変化(経済危機)が、
何度も襲来しています。
ひと昔まえの20世紀では
オイルショック、
私が就活中に苦労させられた円高不況、
そしてバブル崩壊。
私が独立した21世紀以降は
ITバブル崩壊、
リーマンショック。
過去のリストラを注視すれば
容易に理解できることなのですが、
【家族経営】・【人を大切にする】・【互助の精神】を標榜する会社でさえ、
赤字が続けば容赦ない人員整理実施、そして最悪は倒産で放り出されます。
厳しい話しですが、イザ非常事態となれば
『社員の皆さまが想うほど、会社は皆さまに関心が無い』という現実を
思い知らされることになります。
その時に、会社が悪い、経営トップが悪い、会社に裏切られたと騒いでも、
後の祭りなのです。
【備えあれば】
研修やセミナーの際、
私は、皆さまが勤める会社を【船】に例えます。
強度のある船に乗っていれば、荒波でも平気ですね。
ところが、頑丈だった船も
「外部環境の変化」に対応できないと、
いつのまにか、木造船にランクが下がり、
最後は、泥の船に成り下がる場合があります。
最近の「外部環境の変化」のレベルと速度は強烈で、
ひと昔前のレベルではありません。
競争ひとつをとっても、熾烈なグローバル競争。
これまで安泰であった企業が、窮地に陥るのに時間を要しません。
しかも、営業部門がいくら奮闘しても、そういう事態を
回避できない局面が、多々あります。
泥の船は、ほどなく沈んでしまいますので、
生き延びるには、泳ぐ能力(スキル)が
高いほうがいいに決まっています。
泳ぐ能力が高いことで、
沈まない他の船に移る(転職)か、
いっそ陸にたどり着き、自ら船を準備して再起をはかる(起業)という
選択もできるわけです。
残念ながら、スキルの無い(泳げない方)は、
船とともに運命をともにするか、
救出してくれる船を待つのみとなります。
ところが、向こうから積極的に救助の手をさしのべる船は、
往々にしてブラック企業である場合も多いですね。
会社を信じながら、
会社に頼らなくても大丈夫な生き方を目指す
不測の事態に備えて、
定期預金などで、コツコツと貯蓄をされている
ご家庭もあるでしょう。
同じ発想で、自分自身にスキル・ノウハウをコツコツと
蓄えている方こそが、最後は生き残れるのだと思います。
(特に営業担当者の方)。
リーマンショックから10年
喉元すぎれば・・・の現在
リーマンショックから10年が過ぎ、
ただいま就活中の学生さんは、私が実体験した就職苦難時代と異なり、
着々と内定を勝ち取っておられるようですね、
但し、前述の過去を振り返えれば
好況と不況は、必ず繰返えされています。
もちろん【一寸先が闇】。
つまり、正確に先が読めないのが経済です。
キーエンスのように、営業担当者のレベルアップに
熱心な企業にお勤めされていれば幸いなことです。
若し、お勤めされている会社からの教育を期待できないのなら
自分自身でレベルアップを図るのみですね。
【一寸先が闇】が鮮明となった21世紀。
それでもなお、ご自身のレベルアップに無関心のままですか?
修正されるなら、
お若いうち(できれば20代)がおススメです。
次回は、レベルアップの重要性に気付かれた営業担当者の方に
メッセージを送りたいと思います。