本日は、平成30年(2018年)9月28日(金)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

営業担当者が、自社で勿論、
他社でも通用するレベルに達するためには、
ひたすら努力(ビジネス現場における勉強の継続)が必要だと思います。

もちろん『独力で』という手法もあります。
しかしながら、新人営業担当者(営業経験無しで中途入社された方や新卒入社の方)には、
難しいことです。
やはり、周囲(できれば会社ぐるみ)のサポートや教育が必要ですね。

会社による教育としては、
[1]職場の先輩による教育・指導
あるいは
[2]外部講師による研修受講がメインとなるでしょうか?

私が勤務していた30年前のキーエンスは、[1]がメインでしたが、
外部講師を招き、丸一日使った営業担当者むけの集合研修もありました。

ところが、世間一般の営業部門と違って、キーエンスでわずか1年勤務を経た
新卒営業担当者の側のほとんどが、外部講師よりレベルが高い状態でありました。
そのため、講師の方が話す内容には【?】【?】【?】
(業を煮やしたのか、『そんな手法で、業績が上がるはずが無い』と、
キーエンスらしく【論理的に】詰問したりする者も現れて・・・
ところが、どう考えても受講生側の主張が正しい:失笑)。

結局、当日の研修内容が、その後の業務に活かせない
(厳しく言えば、ほとんど役に立たない)という状況でありました。
当日の目立った成果といえば、新卒者むけ集合研修の定番、
研修冒頭のプログラムとなる「創業者の講話」。それのみが役に立つ、
そんな一日でありました。
(もちろん、いくら偉い講師の先生であっても、部外者は「創業者の講話」に
同席することなどは、許されません)。

世間一般では、新人営業担当者(営業経験無しで中途入社された方や新卒入社の方)に対して、
キーエンスのように、教育体制が整備されている(自社で完結させる)会社は、
まだまだ少ないと思います。
特にBtoB・製造業(卸売業)・訪問セールスビジネス企業では、その傾向が強いと思います。

ということで、自社で無理なら外部講師による研修も活用するべきだと思います。
実のところ、前述したキーエンス勤務時代の外部講師による研修が
残念な結果に終わった原因は、営業現場の先輩のスキル・指導と、
外部講師との力量に差がありすぎたからです。
研修も、ビジネス書籍と同じで「あたりはずれ」があります。
(バラツキはどこの世界でも生じます:仕方がないことですね)。
また、プログラムの基本である考え方が
「自社に合う・合わない」もありますね。

従業員への教育が、会社の業績を伸長させる実例

私が、就活していた1980年代後半当時の
ある中小企業(製造業)。
会社説明会で、入社後の営業担当者への教育体制について
説明がありました。
【残念ながら、我が社には、先生ができる人材がいないので、
外部の研修をドシドシ受けて頂きたいと思っています。
営業職であっても、自分が仕事に役立つものだと思うのならテーマは問わない、
会計でも技術でもありです、とにかく費用と交通費は全額会社が負担します】
という企業がありました。
人事の方が続けます。
「正直申し上げて、社長含めてウチはいつ倒産しても、おかしくないと思っています。
その時に困らないように、会社が存続しているうちに、
しっかり自己研鑽して頂きたいのです。特に新入社員の方」というお言葉。
倒産』という用語がでた瞬間、
参加者からドット笑いが起きます。

ところが、この企業。
倒産どころか、30年経った現在も業績伸長されています。
きっと、逆の狙いがあって、自己研鑽する社員が増えれば業績が上がるはずだと、
当初より確信されていたのだと思います。

キーエンスと手法は違いますが、
「入社直後から、勉強を継続する良い習慣を身につけさせる」点では、
同一です。
教育が充実している会社は、業績は常に上向きなのです。