本日は、令和3年(2021年)1月7日(木)
【マーケティング&セールス/B2B(BtoB:企業間取引)
製造業(卸売業)専門の経営コンサルタント(中小企業診断士)、
元キーエンス(→アンリツ)社員の立石です】
おはようございます。
本日はとても寒く、おかげて目覚めてから頭スッキリ。
出発直前に綴っています。
キーエンスとファブレス
工場を所有せず、外部に生産するファブレス経営。
低い原価率で、高収益のキーエンスのモデルでもあります。
同じ製造業の方は、当然注視されているでしょう。
但し、ファブレス導入は、メリットだけでなく
デメリットのケースもあって、ファブレスは全能ではありません。
それでは、前回の予告通り
私が経験した、ファブレスの導入検討について語ります
キーエンスを退職して、転職した私のアンリツ勤務時代。
私の担当製品は自社工場で製造していました。
キーエンスではありえない、上司との居酒屋談義
テーマはファブレス
30年ほど前、確か台風が首都圏に急速に接近。
強い雨風。
帰宅する電車がチョー満員で乗車不可。
当時、お世話になった営業部長と焼き鳥屋に避難。
幸いにして、二時間ほどで、すっかり風雨も止んだと思います。
その時の居酒屋談義(笑)で、
ふと、ファブレスというテーマが出ました。
自部門の主力製品をファブレスにすれば、
本当に原価が下がる(利益が上がる)のか?
営業部長は、キーエンスのビジネスモデルを当然ご存じだったので、
以前、工場の上位職に質問したと。
工場の見解は
「ファブレス(外注化)するには、各種指導・教育が必要なので、
外注先に工場要員を派遣する必要がある。
結局、その派遣要員の労務費が必要・加算されるので、
キーエンスのように原価は簡単に下がらない」と
一蹴されたと。
そこで、営業部長は「外注先は、いずれ指導が不要となるので中長期的には原価が下がるはず」と反論。
対して、工場側は「短期的な利益を重視されるので、中長期ということでは踏み切れない」。
以上の如く、ファブレスは無理だと
私に伝えていただきました。
しかも「原価として一台あたり○○円アップする」とのこと。
それは、まやかしの回答です
それを聞いて、失礼ながら私は即笑ってしまいました。
怪訝な表情の営業部長に
私は「工場の人員削減は無し。うちの部門の主力製品に限ればとの前提ですが、現時点で即ファブレスを導入すると、
過去最高の営業利益を叩きだしますよ」と。
営業部長「でも、原価が上がるんだよ」
私「一台あたりの原価が○○円アップ、もっと言えば更にアップしても、
帳簿には、過去最高の営業利益が記載されることになります」。
営業部長は、少々考えこまれます。
「原価率が上がる、つまり利益率が下がる、人も減らさずで・・現時点の主力製品?」と
つぶやかれた後、
「・・・そうだ。営業利益は過去最高になる。その通りだ」と理解されました。
私は「その工場側の意見、ファブレスが波に乗れば、工場の要員が不要になりますから、
何としても阻止したいのでしょう・・・
一般論としては正しい答えでしょうが、ただいまの工場の現状を無視しています。
そんな苦し紛れともいえる、まことしやかな内容を
真顔で語るなんて、大丈夫か?て感じですね」
話し合う双方が【経営数字の視点】を持っている場合、
経営にとって、最も正しい(今回は営業利益の確保)ことが
論理的に導き出されます。
※さて上記の「現時点で即ファブレスを導入すると、
過去最高の営業利益」となる理由、おわかりですか?
その理由を説明できる方は、前回綴った
①ゼネラリストコースを歩むことができます。実は、すべての会社が、その通りとはなりません。
(ロジカルで妥当性のあるものなら、正解は複数回答ともなりますが、ひとつ指摘できれば十分です)。
私は、管理職候補研修の直後に退職しましたので、無関係です。
但し、経営コンサルタント(中小企業診断士)として、
現在はその道を歩んでいます。
結論
結局、当時はファブレスを
導入されませんでした。
おまけ
【経営数字】の基本。
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◇【実例】社内の会議
◇【実例】経営トップが直接関与すべき場面