本日は、令和2年(2020年)4月18日(土)その②
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

前回、綴ったのですが、
B2B・製造業・訪問セールスの分野、
とりわけキーエンスと同業のライバル会社の中で、
テレワーク導入で、デメリットが無く機能する(【唯一】と言って良いはずです)の企業が
キーエンスだと、私見を述べました。

というのも、キーエンス退職後に転職した、
当時ライバルのアンリツ勤務時代の(1990年代後半)に、痛切に思い知らされたからです。
本日は、その私見・体験談です。

1990年代半ばテレワークの先駆け(トライ):携帯電話・ノートPC・FAXモデム

アンリツに勤務していた1990年代半ばに、世界的なシェアを誇るOSが導入されたパソコンが
職場に入ってきました。
といっても、職場単位で数台をグループのメンバーで共有(独占利用は無理)。
また、携帯電話から発信できる電子メールなどは普及していません。
その当時に、現在のテレワークに似た手法をトライしたことがあります。

トライできたのは、上司(部長)のおかげ

この方は、性善説の人(ブログで綴りました >>>コチラをクリック)。
ことあるごとに『売上高が伸長するなら、受注・売上進捗等の定例報告以外は、
会社に来なくていいですから』と、言われ続けていました。
(赴任当初から、キーエンスのような顧客訪問前と訪問後の、
外出報告の類は一切無し:自主性を重んじ自己管理を期待するスタンス)。

当時、ポケットマネー(ボーナス)で購入した
電子手帳ノートパソコン・FAXモデム予備のバッテリー
(いま思えば何を血迷っていたのか、相当な自腹です)。

そして、会社から各人に貸与された携帯電話で、外出先から
顧客フォローとアポイント・顧客訪問。
文書回答が妥当だと判断した案件は、モデムを装着したノートパソコンに
携帯電話接続経由で、ノートPCで作成した文書をFAX送信・・・
結果、日中の営業活動は、営業所にいなくても全く問題無し。

事務処理は?

私のルーチンは、朝7時20分に出社して事務処理
電子手帳メーカーサイドでは、サポート対象外とされたプリンタから、
住所ラベルを打ち出す手法を構築。
・・・当時主流の郵送送付、宛名書き業務の削減に成功しました
(印刷に使うインクリボンも自腹でした。いま思えば無駄遣いですね:笑)。
そして、始業時間8:30すぎに営業車で出発、日中は顧客訪問主体に
定時後に、帰社というスタンスを取っていました。
定時後は、マーケティング業務や受注案件入力等々。

承認案件は?

上司、実は自分には厳しい方。前夜、お客さまとの接待・懇親会で午前様になっても
必ず朝8時前に出社。よって即決済。
自分に厳しく部下に任せる、これが部長のスタンス。

以上の営業スタイルで、バブル崩壊、消費税不況(3%→5%)、
そして、商談のほとんどが、対キーエンス競合案件という環境下でも、
売上高実績・年平均30%超(当該部門在籍計4年間で、売上高3倍・2名増員)の
実績を上げました。
ところが、この実験的テレワークは、一見成功したようですが、
実際は、戦術の強化レベル程度のことで、
一番の強敵であったキーエンスに勝つための、
決定打でないことを、徹底的に思い知らされたのです。

現在、キーエンスのライバル会社の方で、初めてテレワークを実践されて
気づく方もおられると思います、
つまり、私と同じことを体感されているかもしれません。
テレワーク導入での業績伸長は、キーエンスで成立するだろうけど、
あれこれフレームを導入しても、うちの会社では無理。
根本を変えないと・・・』と。
その根本が変われば、競争に打ち勝ち、真の業績伸長に繋がります。
まあ、根本が露見するだけでも、成果アリですが・・・