本日は、令和2年(2020年)2月29日(土)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
下記は前回の再掲です(有望引合以降も記載)
有望な引合獲得を目指す。前回は、キーエンス営業担当者の【質】への対抗
今回は、【量】への対抗手法です
約30年前、キーエンスからライバルのアンリツに転職。
キーエンスと直接競合する商品の直販営業を行ないつつ、
増えた業務がマーケティング。
キーエンス以外の会社では、当然のように派生するであろうこと。
そして回避できないこと・・・そのひとつが、営業担当者の【質】のバラツキ。
それをカバーする最善策こそマーケティング業務の
【ホワイトペーパー】の作成・活用であると前回綴りました。
キーエンスには、ナポレオンのような偉大な創業者がおられます。
洗練された手法に勝つには、知恵を寄せ合うメンバーの集合体で対抗せざるを得なかった
現実がありました。
いまでいう【ホワイトぺーパー】。
30年前は、電子メールもネットも無い時代ですから、
これを使ったお客さまへのPRは、郵送ダイレクトメール、
あるいは営業担当者による直接アプローチ
(電話PR・訪問)という手段を取っていました。
ただ、幅広くPRしても、【有望な引合のみ】を獲得することが
難しい現実がありました。
対キーエンスとの競争で不利になる、もうひとつのこと。
営業担当者の数と接客量
担当していた機器。
精度・価格・ブラントで勝る当時のアンリツに対して、
ライバルのキーエンスは、間違いなく営業担当者の数と接客量で優位でありました。
キーエンスは、お客さまからの【引合】が、例え相当数であっても
【全て漏れなく】クイックレスポンスで対応(【全て漏れなく】は、簡単なことではありません)。
しかも、後の継続フォローを怠ることはありません。
当時考えたのが、【引合】に対して、キーエンスと同様の【全て漏れなく】の対応が
果たしてできるか?(冷静に考えて可能なのか?)といった点です。
・・・残念ながら、結論は無理です。
当時のキーエンスのPR手法は、マス・マーケティングのイメージ。
とにかく、物量作戦ともいえる圧倒的な量のPRで、引合を獲得。
もちろん、有望でない引合が、多数舞い込む問題点もあります。
それについて、丁寧に対応できるのは、
キーエンスには営業担当者の数と接客量という
バックボーンがあったからです。
マンツーマン対応(現在でいう【OnetoOneマーケティング】)で対抗
当方は、営業担当者の数と接客量で劣勢であるので
同じ手法をとれば、有望でない引合に対して丁寧さを欠ける・・・
場合によっては、ノーフォローや訪問せずに即時のお断り。
結果的に、お客さまとの長期的な関係も構築できない、
また、ブランドイメージ毀損にもつながります。
そこで、マンツーマン対応(現在でいう【OnetoOneマーケティング】)を実施しようと、
独自の顧客情報管理の手法を考えたわけです。
名刺の入力と活用・・・実は30年前に実施済のことでした
ここ数年、名刺を入力・管理・活用するトレンドが増加していますが、
その有効性は、30年前のアンリツ勤務時代に認知され、
既に実践済のことでした。
やはり、キーエンスという強いライバルが存在すると、販売手法が
洗練されていくのです。
各部署に2台程度のオフィスコンピュータ。
キーエンスの営業所では、見たことも無い代物。
見積・ワープロ・表計算ができ、作成したデータ(記録)は、フロッピーディスク
(お若い方は、その存在を知らないかも:笑)に保存。
アンリツに転職して、最初に受講した研修のテーマが、以上の利用法。
既に先輩が、展示会に来訪された、お客さまの名刺情報の入力を実施。
都度、住所ラベルを打ち出して、新製品情報・展示会案内状を送付する手法が
先進的でした・・・当時は、宛名書きというのが、事務作業で相当な負担があり、
一気に解消するとともに、反復実施で、現在でいう【ナーチャリング】という
仕掛けがあったと思います。
新発想【お客さまへのヒアリングで獲得した情報】も併せて入力して活用
私は、【ナーチャリング】ともに、有望な引合【のみ】の獲得を目指して、
名刺情報入力に際して、【お客さまへのヒアリングで獲得した情報】も
同時入力して、活用しようとしたのでした。
ヒアリング項目は、かつて綴った
ポケットマネーで参加した、BtoC業界の方がメインに参加される
マーケティングセミナーの懇親会で、ヒントを得たものでありました。
名刺情報とともにヒアリング情報が格納されているデータ。
これを今でいう【ファネル(漏斗)】で絞り、活用する手法を編み出したのです。
これが、キーエンスへの物量作戦への、最善の対抗策になりました。
・・・現在のMA(マーケティング・オートーメーション)の導入に際しても、
他社を圧倒する手法になります。
理由は、ノウハウ自体は簡単なものですが、それを知る人が皆無に近いからです。
次回は、この仕組みを利用した、効率的な施策等を綴りたいと思います。