本日は、令和2年(2020年)2月07日(金)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

下記は前回の再掲です(有望引合以降も記載)

過去にあった、PR用のチラシ、リーフレット、提案書等々も
コンテンツの範疇になり、ホワイトペーパーという名称に変化したようですね。
それらを、見込顧客に伝えるアプローチ手段が、過去に隆盛であった郵送(ダイレクトメール)から、
デジタル化した手法(メール発信)へと進化しました。
ダイレクトメール時代とは異なり、資料の封筒封入、宛先記載等の手間が省略され、
まさに、指一本で大量の見込み顧客に情報発信が可能となりました。

訪問セールスにおける優れたホワイトペーパーとは
【販売競争の実戦経験のある営業担当者】が主導して制作されたもの

私のキーエンス勤務当時(30年以上前のこと)。
もちろん、現在のMA(マーケティング・オートメーション)の仕組みはおろか、
個人利用のPCなどは、会社に普及していなかった時代です。
但し、お客さま側から【有望な引合】を実現させる基本概念は
今も昔も不変です
自身が担当している販売地区で、過去にアプローチしたが商談に進まない、
あるいは取引実績の無い見込顧客への、定期的アプローチに工夫が求められました。
当時の販売ツール(客先提出資料の類)は、製品カタログ程度。
同じカタログを繰り返し発送する手法は、しつこい電話セールスと変わりありません。
お客さまにとって、ただ迷惑なだけです。
そこで、カタログ以外の資料、まさに今でいうホワイトペーパーを
自作し始めたのであります。

制作にトライしたキッカケは、顧客視点を盛り込まれた
自宅に投函された【手書き・手作りのチラシ】。

業界の違う、証券会社の金融商品でした。
当時、電話帳には自宅電話が記載されていました。

担当の方から、土曜日にセールス電話を受けたことがありました。
正直に思っていたこと『この商品には興味がないのですが、投函されるチラシは、
いつも楽しみにしています』と、お伝えした記憶があります。

チラシの種類は、さまざまなのですが、全て内容が異なっていました。
書かれていることはすべて、お客さまの側が問い合わせしたくなる内容です。
もちろん、チラシですので、正式なパンフレットに、記載される細かい内容は記載されていません
(詳細はパンフレットをご請求くださいといった、仕掛けもあったのです)。
そうだ、この手法を、応用してみよう・・・

制作にトライといっても、当時のキーエンスの営業所には、世間同様
制作機器などは、ありません。
制作グッズは、ポケットマネーで購入した【コンパス(円を描く)】と【三角定規】。
いまなら笑えるような貧相な機器で、原紙を作って、白黒コピーで増刷・・・。

もともと、担当していた計測機器が、【後発】・【精度劣勢】・【ブランド無し】と
という、大変不利な状況もありましたが、当時のライバル会社で、
カタログ以外の資料でアプローチする会社は、ほぼ皆無。

結果、有望引合が寄せられ、業績が急伸したのであります。
この時の試行錯誤で、有望な引合を取れる資料(現在でいうホワイトペーパー)を、
自身で作成できるようになりました。

ところが、当時勤務していたキーエンスに、
この作成ノウハウを積極的に公開する意思は、ありませんでした。
実は、販売促進部門に、その破壊力を知る者は皆無に等しかったのです。

ただ、直属のお世話になった責任者は、唯一この手法の先見性に気づき、
私の退職後に、全社的な手法に進化させたのだと思います。

転職したアンリツで、コンパスで何かの作業している私を見て、
全社的な取り組みに応用させた、先輩がいました。

先輩を含む作戦参謀の知恵で、入社した3年後には、バブル崩壊にも関わらず
キーエンスとの競争製品が爆発的な販売を記録するのでありました。
(おそらくシェア奪還に成功したはずです)。続きは次回に。

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