本日は、平成31年(2019年)2月4日(月)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

毎年、就活の時期になると、必ずといっていいほど出てくる、
学歴フィルターの話題です。
その一例。
高校の同級生(現在も連絡をとりあっている友人どうし)が
別々の大学に進学しました(学部は同じ)。
就活の時期になり、ある企業に、ふたり同時にエントリー(学校・学部も記載)。
超難関大学に進んだ方は、会社説明会の案内を受けたが、
一方の難関ではない大学の方は、会社説明会が満員云々で対応されなかった・・・

学生さんの無駄足を防ぐためにも
【正直に学歴フィルター有り】と示すべきという意見
(私の就活中、ある体験で同じ思いでした >>>コチラをクリックしてください
の他に、
【人物本位の選考でなく公正ではない】どころか
【企業姿勢に問題あり】と、厳しく批判される場合があります。

まず【学歴フィルター】は存在するか?

私のこれまでの少ない見聞ですが、
採用に際して【学歴フィルターを採用している】と
オフィシャルに明言している、企業を存じません。
実際は、口が裂けても言えないことでしょう。
というのも、
正直に【弊社は学歴フィルターを採用している】と
実情を話せば、あっという間にSNSで拡散し、
続いてマスコミの一斉報道・・・結果的には糾弾され、
ブランド毀損は確実だからです。

ここからは、私見ですが
会社によっては【学歴フィルターは存在する】と
考えたほうが良いと思います。
理由は、人事採用担当者(会社勤めということ)の立場で考えれば
ご理解できるかと。

経験談
B2B(BtoB:企業間取引)・訪問セールスビジネスの製造業の
営業担当者について

実際の会社勤務と、これまでのコンサルティングの経験で
優秀な営業成績と、それまでの学歴・学力・偏差値とは
相関関係が無いと、何度も当ブログで綴っています。

正確には、超難関大学出身者と、難関でない大学出身者双方に、
入社後の営業成績が、優秀~残念まで、ほぼ同じバラツキがあるのです。
もどかしいのですが、『優秀な営業担当者として開花するか否かは、
入社後に判明いたします』。
ならば、学歴でなく、人物本位で採用してもいいはずなのですが、
全国一斉就活、人材獲得競争・・・短期間で内定を出さねばなりません。
短期間で、営業担当者の資質を見抜くというのは、絶望的だと思います。
・・・営業経験のある私の場合でも、できることといえば、直観の範囲。
せいぜい「(話される内容と所作を拝見していて)営業は無理そうかな?
(但し≒無理と断言はできない」レベルまでです。
『営業担当者として必ず実績を上げる方』を短期間で、見抜くことは不可能なことです。

採用した新人営業担当者が優秀な場合、
超難関大学出身者だと、「さすがは超一流大学(◎◎大学)出身だ」
難関でない大学出身者だと、「営業には学歴とか関係ないな、すばらしい!」と
優秀なのですから、等しく賞賛されます。

一方、採用した新人が、とても残念な場合・・・
『何で、ああいう人物を採用したんだ!、他にいなかったのか!』と批判がでます。
ここで、人事部門の方のエクスキューズが予見できますね。
『だって、彼は超一流大学(◎◎大学)出身だったのですから・・・』。
このひとことで、責任は回避できそうですね(やるべきことは、やりましたと)。
もし、そのエクスキューズできないのでは、人事の方が気の毒です。
同じく、経営トップの最終面接段階でも、超一流大学(◎◎大学)出身者を揃えておけば、
いらない追及を、回避できる会社もありそうです(忖度:そんたくもアリ?)。
これも会社社会の一面です。

こういう会社の裏実情について、
いい大人が情けない!無責任!という批判もあるでしょう。
確かに、【学歴フィルター】の存在は、理不尽で不合理なことでもありますが、
会社勤めされたら、どこの会社でも、もっと理不尽なことが存在します。

キーエンスの営業担当者は、入社してからが勝負

私が新卒入社したのは、1987年。
前年の入社試験では、筆記試験もありましたが、
学歴や成績が、入社できるポイントとは程遠い。
(かつて綴りましたが、
成績証明書の提出は不要と、人事責任者から説明がありました)。
また、学閥やら同じ出身大学のOB会で群れることなどありません
(正確には、非合理的だとして許されない)。
そんなキーエンスのような完全実力主義の会社は、
日本に、まだまだあるはずです。
就活を控えた学生さんには、学歴フィルターなんかにめげず、
後悔なき活動を期待したいと思います。

なお、以上のような、裏でのエクスキューズと忖度は、
経営コンサルタントの選定に際しても、
実際に存在しているようです。
私もめげずに活動しています。
(実力のみで選定頂く、クライアントには日々感謝あるのみです)。