本日は、平成30年(2018年)12月2日(日)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
今回は、経営コンサルタントとして
個人的に気になる、歴史上の人物についての話題です。
もちろん、経営に関わる視点で綴ります。
約2000年前の中国で
初の全土統一を実現した国家が生まれました。
戦国時代(七雄・7ヶ国)を征した【秦】(シン)です。
初代皇帝は始皇帝。
その始皇帝が、まだ秦王の政(セイ)の時、
『この人物に会えるなら、自分は死んでもいい』という思想家がいました。
隣国、韓の公子【韓非】です。
政は、彼の書した韓非子を一読して大感激したそうです。
いきなり脱線しますが、
戦国時代の直前、春秋時代から諸子百家といわれる
たくさんの思想家が登場いたしました。
性善説や性悪説という言葉を、耳にされた方も多いと思います。
経験上、営業部門の管理は性善説が嬉しいのですが・・・
会社勤務時代、特にキーエンスの後に勤務した
ライバル会社のアンリツ勤務時代のこと。
性善説の上司(複数の方々)に恵まれて、
のびのびと充実した日々を送りました。
特にこの方(営業部長)→>>>コチラをクリックしてください
:[その3] 人脈づくり(販売チャネルの構築他)に記述しております。
(アンリツ拠点勤務時代)当時の上司曰はく。
『営業担当者に対しては、新人への基本教育は強制してでも必要である。
ただ、その後は過渡な管理はしない(信じて用いる)。
怠慢や不正を防止しようと性悪説(管理の徹底)で臨むと、
管理が一切不要である成績の良い営業担当者までが、
委縮してヤル気が失せてしまう。
それでは、全体としての業績が伸びない(だから部下に自由にやらせる)』と。
・・・実際、一見何もやらない管理で部門の成績があがります。
意外なことに、
上司ご本人も不安になって、一時はこっそり抜き取りチェック
(性悪説?:笑)。ところが、期待通りに不正や怠惰は一切無いことがわかり、
この手法に間違いないと自信を持たれたそうです。
初公開 性善説管理成功の理由
ただ、この成功には理由(カラクリ)があります。
初公開いたします。
ここ最近に知ったのですが、
実はこの上司、毎年春の人事異動に際しては、
相当な労力をかけられていたそうです。
転勤してくる部下について、成績優秀云々もありますが、
何よりも【モラル(道徳心)】の高い人物のみを、受け入れるという
確固たる方針があったようです
(ほんのわずかでも、怠慢・怠惰・不正等の臭いがする人物は、
例外なくお断りとか)。
つまり、性善説による管理(事実上の無管理)は
不正が起こりにくい人物の(小)集団でのみ、成立する手法だったのです。
当時のアンリツは、世間一般の会社同様、人の【モラル(道徳心)】・【規範意識】には
バラツキがありました。
そのため、残念ながら性善説管理を、
全社のスタンダードにするには無理があったのです。
実際、性悪説で管理する上司もいました(私は、怒ることもなく心の中で
『おそらく自分が営業担当者時代にやっていただろう怠慢や不正』を、
部下が同じくやるだろうと考えているんだな・・・と冷徹に分析していましたが)。
かわって、キーエンス。
営業部門では、性悪説管理だとネットで見かけることもあります。
ただ、私はやや違う認識を持っています。
実は、前述の韓非子で説かれている内容に近いことを実践していて、
営業部門の管理はもちろん、経営としては、実に正しい姿勢の企業であると思います。
特に、現在の企業経営トップの皆さまこそが、率先して模範にすべきことがあります。
韓非子と経営・・・
つつぎは次回。