本日は、平成29年(2017年)4月16日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 元キーエンス社員、中小企業診断士の立石です】
(キーエンスとはチョイと違う)業績伸長のための【ロジカルな思考】・【ルール】のシリーズを続けます。
私が勤務していた当時のキーエンスでは、「客観的な項目・数値」を基準として
業務仕訳(【必要な業務】または【不必要な(くだらない)業務】)や、人事の評価(【良い】【悪い】)がなされると綴りました。
ロジカルな内容であるため、冷徹かもしれませんが、【公正】な観点からも、経営としては大正解です。
むしろ、トップの独善や毎度ブレる方針、愚鈍な上司の判断・評価が支配される会社のほうが、
ブラック企業であることには間違いありません。
キーエンスのように、誰もが納得できるルールで回る職場では、
高いモラール(士気)が維持されます。
結果、高い利益を獲得する会社となり、それが高い報酬を得られる会社となるのであります。
本日は、モラール(士気)関連で、人事評価の視点ではない【良い】【悪い】の項目、
従業員の教育である『躾け(しつけ)』に関して、綴りたいと思います。
最近、キーエンスの持続的な高成長を目の当たりにしてか、キーエンスのフレームを
研究する企業が増えているようです。
【ファブレス】【直販】etc・・・しかしながら、これらのフレームを導入しても、
そう簡単には、業績が伸長しないと思います。
やはり、経営トップのブレの無い方針と、中で働く人(従業員)に依存することに間違いないからです。
現在のキーエンスは、業界最高ともいえる高い年収(詳しくはコチラの記事をクリックしてください)で、
いまや、高い偏差値(むしろ【超高い偏差値】という表現が妥当でしょう)の最難関大学の
優秀な学生さんの多数が、入社を希望する企業でありましょう。
私が新卒入社した30年前(1987年:昭和62年)。
増員は、新卒一括(数十人単位の大量)採用という方針に大転換された2年目でありました。
その年の秋に、2部上場を控えているとはいえ、現在のような高い年収でもなく、
知名度も現在ほどでは・・・といった時代です。
同期入社で国公立大学出身者はゼロ。
私立の最最難関大学出身者が1名といった記憶です(この1名も退職し、現在も定期的に交流があります)。
当時のキーエンスは、中途採用者の占める割合が大きい企業であったのです。
一般的な話題になりますが、中途採用の方(例えば営業担当者)は、
新人教育が不要(即戦力)でありますが、いろいろな業種・会社を経験されているため、 業務に対する考え方に【バラツキ】がある場合があります。
考え方のバラツキの例として、お客さま第一の対応のひとつである
【クイックレスポンス】があります。
人によって反応速度が違うといったケースです。
「即対応が必要!」というシーンで、『本日、すぐ実施』という考えから
『明日でいいだろう』という温度差。
さらに、残念なのですが『ほったらかし』というレベルまで存在する場合もあります。
キーエンスの営業部門で、中途採用で入社されて、辞めずに残る方は、
高いレベルの凄腕の先輩方と同じく、バラツキは皆無だったと思います
(全員が即対応)。
ただ、営業部門と関わる他部門とでは、
【クイックレスポンス】という感覚で、若干温度差があった記憶があります。
これはキーエンスに限らず、どの企業でも、お客さまと直接折衝する部門
(営業・アフターサービス等)が、お客さま第一を体感しているからだと思います。
一般の企業では、営業部門と関わる部門との間で、折衝が生じるわけですが、
なかなかうまく進まない場合があります。
特に相手方が、『ほったらかし』(怠慢が修正されない)という残念なレベルだと、企業の成長は、絶望的だと思います。
一方、キーエンスでは、『ほったらかし』レベルの社員は、
存在しないのです(正確には、仮に出現しても即修正されるということです)。
その秘訣は、「お客さま第一」を実現するために、
全従業員が、一字一句間違わずに暗唱し実践する「行動指針」にあります。
キーエンスの行動指針については、かつて綴りましたが(コチラをクリックしてください)。
行動指針には3つの意識が必要と(定義)されていました(▲▲、〇〇、■■は略)
◆(▲▲意識)仕事は責任を・・・(以下略)
◆(〇〇意識)その仕事は何の・・・(以下略)
◆(■■意識)仕事のやり方が・・・(以下略)
『ほったらかし』レベルの社員に対する躾けについて、上司を通じて(部門間協議で)改善してもらうといった、面倒な手続きは不要でありました。
その場で、相手方に「▲▲意識が欠如している」と、指摘すればいいのです。
もちろん、声を荒げる必要もありません。
新入社員であっても、相手方に直接かつ堂々と指摘できます。
対して、相手方は絶対に反論できません。
その理由は、行動指針が、お客さま第一を現場で実践する
経営トップ(創業者)のブレの無い方針(ルール)だからです。
怠慢な考え方・行動は、即修正されます。
指摘された側は、「悪いことを改める」以外の選択肢はありません。
残る選択は、たったひとつのみ。すぐさま会社を去ることです。
改めぬ者(つまり去る者)を、追いかける者は皆無です(退社に際して全員納得かと)。
経営トップの方針に従えないのであれば、致し方ないところでしょう。
新入社員でも堂々と悪い点を指摘できることは、
創業者も望んでいたことだと思います。
関連して、ひとつエピソードがあります。
いまは、引退されたと思いますが、ある経営幹部が営業所に顔を出されました。
その際、営業担当者と本社担当者との温度差のある内容での、電話のやりとりを耳にされました。
すぐさま、深刻な問題があったと察知されて、営業担当者にヒアリング実施。
営業担当者から内容を聞かれた後、改善を求めて本社担当者に直接電話をされます。
『おい!▲▲意識が、欠けとるんとちゃうか~?!
では、▲▲意識を正確に言ってみろ!!
何い?!行動指針を答えられないとは、一体どういうことや?!(怒)』
(大声・関西弁のド迫力・まさにカミナリです)
突然のことで、心の準備が無かったため少し身震いしたのですが、電話を切られた後、
営業所にいるメンバーを集めて、今度は一転、冷静な口調で話をされました。
「先輩だとか新入社員だとか、事業部が違うとかは一切関係ない。会社を良くするために、行動指針に反することがあったら、その場で即相手側に指摘するように」と訓示を受けました。
あえて大声を出されたのは、そこにいる営業所のメンバーに対する、教育の一環だったと思います 。遠慮せずに(むしろ容赦なく)やれと!、手本を見せられたのでしょう。
ちなみに、当該の本社社員は、考え方を改めることができなかったのか、
ほどなく会社を去った(解雇でなく自主退職)と聞きました。
以上のように直属の上司がその場にいなくても、もちろん経営トップが関与せずとも、
行動指針というルールで、自動的に【躾け】がなされる・・・
これもキーエンスの強みなのです。
当然のことながら、経営トップ・経営幹部・管理職の負担(部下への教育)が減ります。
付随して、管理職の数が減らせることにつながります
⇒営業利益が大きいのは当然であります(結果、年収も破格→業績・年収の推移はコチラをクリックしてください)。
簡単に実践!高収益を目指すルール(行動指針)で、変革を目指しませんか?
キーエンスの行動指針は、今現在も正確に復唱できますが、
100文字程度ありました。
当時、社員全員に例外なく求められた『一字一句を間違えずに記憶すること』は個人的に大変でありました。
かつて綴りましたが、
同じ効果を狙いながら、さらに文字数を減らし、
私のオリジナルである、おススメの行動指針があります。
日々のコンサルタント活動の中で、みなさまにご紹介しているのが、
絞りに絞って、わずか23文字程度で収まります。
ご紹介すると、経営トップはもちろん、従業員の皆さまが一同に納得される
待望の内容でもあります。もちろん、職場で声を荒げる必要などありません。
これをルールにされると、キーエンスのように、
職場において、「ほったらかし」(怠慢)という文字が消え去り、高いモラール(士気)が
維持されることが期待できます。もちろん高収益企業を目指す変革の一手になります。
これが、(キーエンスとはチョイと違う)経営コンサルタント立石の、
業績伸長のノウハウなのであります。
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