本日は、平成28年(2016年)11月23水曜日(祝日)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 元キーエンス社員、中小企業診断士の立石です】

本日も、みなさまの会社が「本当はできるはずのこと」です

本日は、【残業】について綴りたいと思います。最近、ブラックと指摘される企業で必ず露見するのが、信じられないほどの総労働時間、そして残業代の未払いです。ブログで何度も綴りましたが、キーエンスはそんなブラック企業とは無縁です。私が勤務していた当時(1987年新卒入社)は、研修や勉強会であっても定時後の残業として全額支払われました。

当時の記憶・・・【その日の仕事は、その日のうちに

当時のキーエンスは、先行するライバル会社(複数の大手企業を含む)との競争を選択した時期と重なり、後発企業のキーエンスにとって残業というものが、ひとつの優れた戦術であったと思います。
ライバル会社とのし烈な競争環境下で、会社が成長している実感の中、業務を先延ばしにすると、更に負荷がかかることが目に見えています。もちろんライバル会社との受注競争に打ち勝つことも難しくなります。
かすかな記憶ですが、勤務していた営業所で、お互いを鼓舞する意味もかねてか【その日の仕事は、その日のうちに】という暗黙のスローガンがあったと思います。つまり、キーエンス勤務時代の残業は、ライバル会社に【働き負けない施策】のひとつであった、そんなイメージです。

ただ、残業が戦術だといっても総労働時間は、ひどいものではなかったと感じています。
私自身は、キーエンスの主流である地域密着の営業担当者とは異なり、遠方の地区を担当していました(詳しくは【コチラ】と『コチラ』をクリックしてください)。そういう点で、外出(都度前泊出張)の際は、22時以降に営業所帰着ということもありました。実のところ、最終訪問先では、ほとんど18時台に打合せ終了となり、以降は移動の時間が長いだけです。つまり、実際の勤務(顧客訪問対応)で疲れるのとは、少々ニュアンスが違ってくると思います。最近は、全国津々浦々にキーエンスの営業所が増え、いわゆる地域密着が浸透しているはずです。もはや私の勤務時代ように、遠距離移動する営業担当者は稀有だと考えていいはずです。
また、週のうち2日ないし3日は、外出は一切無しの終日営業所での勤務でありました。私個人は、タイムカードの打刻時間【21:03】が、最も多かったと鮮明に記憶しています。

本日のテーマ 御社にとって【残業】が「本当に必要か?」を再検証すること

ここからは、私の私見です。現在のキーエンスも残業はアリだと思います(全額支給は間違いなく継続されているはずです)。
では、キーエンスが残業無し・いわゆる定時退社の会社となるでしょうか?・・・もちろん、経営陣の判断になりますが、その可能性は低いと思います。理由は、残業時間を減らした分、比例的に業績(売上高・利益)がダウンすると想定できるからです。 というのも、キーエンスの勤務時間の使い方は、残業時間を含め、すべて効率的(投入時間に対するリターンが比例的)だからです。最小の資本と人で持続的成長を目指し、実際に達成を実現するキーエンスで、残業無しはありえない選択だと思われるからです。また、業績が下がればトップ級ともいわれる年収(詳しくはコチラをクリックしてください)が下がることも想定され、実際に働く社員のみなさんも、そんな変革に同意されることなどありえないと考えるのが妥当だからです。

では、キーエンス以外の企業では、いかがでしょうか?
ライバル会社に転職してから、勤務時間(残業時間を含む)で、キーエンスに働き負けなかった自身の経験から本音を語ります。入社直後から、正直言ってその非効率さを肌で感じました。退職直前の数年に至っては、それがピークだったと思います。つまり、同じ業績(売上高)なら、間違いなく残業時間を減らせたはずですし、あるいは、キーエンスのように効率的であれば、同じ勤務時間(残業時間を含む)で、さらなる売上高伸長が期待できたからです。・・・私が退職した後の現在の転職先が、どうなっているかは不明ですが、以上は会社勤務時代の率直な感想です。
もちろん、この’ルール’(因習ともいえるでしょう)があろうが、文句など言っていられません。営業部門では、ライバルであるキーエンスに勝利するため知恵を使って努力するのみでした:すばらしい営業部長(詳しくはコチラをクリックしてください)以下総員での、対キーエンス奮戦記は別途綴ります。

そして、会社勤務を終えて。経営コンサルタントとして活動してから、ふと気付いたことがあります。企業規模に限らず、キーエンス以外の企業(特に製造業)のほとんどで、私の苦い経験と同じ問題を抱えておられるのです。経験しているからこそ、解決策は私にとっては得意分野であります。ほぼすべての企業で、コンサルティング実施(訪問セミナーでも同様)直後に『至急改善』に進まれます。まさに、コンサルタント冥利に尽きる瞬間です

ある社長さんにいたっては、『いままで、よくもまあ【くだらねえ】こと、やっていたな~』と反省されます。不要な業務、この社長さんのお言葉を借りて、【くだらねえ】ことが何故、キーエンス以外の会社において蔓延(まんえん)して、放置されたままなのか?それはまた次回に。