本日は、平成27年(2015年)2月11日祝日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。先週に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。キーエンスを退職して、当時のライバル会社に転職した後も含めて、最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

いまや売上高2000億円企業のキーエンス。
従業員の平均年収がトップ級であると、ネット上でも話題になっているようですね。
平均年収の件は、【40歳代で墓が立つ】などのデマや流言でなく、信のおけるデータから正確に読みとることができます。
キーエンスの有価証券報告書「第43期」をご覧になってください。
平成26年3月20日現在、平均年収1440万(平均年令34.8才、平均勤続年数 11.1年)。この年収は私がキーエンスに在職していた当時よりも、はるかに高い水準です。

あたりまえのことですが、賃金が高いのは好業績だからこそ可能なのであります。
世間一般から見れば破格ともいえる人件費、そして広告宣伝費等々を支払った後の営業利益も莫大です(第43期では売上高営業利益率が55%超)まさに好業績会社のお手本です。
この好業績は、創業者が作った仕組みの成果であることは間違いありません。

その創業者について、日本経済新聞の記事で知りました。
先週の2月2日。キーエンスの創業者で代表権を持つ会長の滝崎武光氏が3月21日付で取締役名誉会長になると発表されたとのことでした。

私が入社した1987年当時、創業者は確か42歳と記憶していますので、30年近く経過したいま、代表権を返上され第一線から退かれるのも、何ら不思議では無いことです。
創業してから、そして株式上場以来も高い成長を続けて好業績である一方、これまでキーエンスの創業者が、テレビ他メディアになどに頻繁に登場された記憶は、ほとんどありません(テレビの記憶では唯一、私が入社した年に30分の経済番組に出演されたのみかと。放送当日、私は出張で録画取りを忘れたため内容について語ることができません)。
私のキーエンス在職期間において、就職試験(会社説明会、最終面接)や、入社後の研修などの場で、創業者から経営に対する考え方、展望、心がけ等々について直接お話しを伺う機会が多々あり、私の人生で、それは貴重な体験をさせて頂いたと思っております。

そのプレス発表があった翌々の2月4日に、キーエンス新卒同期入社の方と渋谷で対談セミナーを実施しました。
セミナーの終了後、昨年25年ぶりに再開したその同期の彼と「好業績の会社の条件」について話し合いました。
経営コンサルタントとして好業績の会社を見てきた私と、キーエンスに15年勤務して、高い地位のマネージャー経験のある彼の見解が見事に一致しました。

キーエンスはもちろん、企業規模を問わず業績のいい会社の共通点です。
それは、3つの仕組みが備わっています。
[1]売れる仕組み(ルール)がある。
[2]成果を出した、努力した社員にきちんと報いる仕組みがある。
[3]モラル(道徳)、モラール(士気)、パフォーマンス(成果)のそれぞれが低い社員を放置しない仕組みがある。
シンブルなようですが、以上の3点です。
「理念だ」「目標だ」「方針だ」「スローガンだ」の類より、優先すべきことだと思います。。
実際、過去に私がお付き合い頂いた中小企業で、経営理念や経営方針を全く定めていないものの、上記3つのみを徹底。いまや地域を代表する好業績の会社があります。

キーエンスと全く同じ業績(売上高営業利益率)を残せないにしても、好業績の会社となるには、以上の3点が必要だと思います。
また、3つの仕組みうち2つ以上が無い会社は、衰退することは聞くにしても業績が良いという話しは、あまり聞いたことがありません(それは、幸いなことでもありますが、偶然としかいいようがないと思います)。
「偶然にも業績がいい」仕組み無き会社は、志向する市場にキーエンスのような会社が、突如市場参入してくれば、その強さになすすべもなく、早晩競争に破れる可能性が高いと思います。次回も、3つの仕組みについて綴りたいと思います。

『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。

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