本日は、平成26年(2014年)5月25日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。先週に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)
「都市伝説」・・・それは根拠が不明なことです。キーエンスにも「都市伝説」があるようです。私が退職した後、たまに聞くその代表格が、(仕事が激務で?)【30歳代で家が建ち】【40歳代で墓が立つ】というものです。入社した当時のキーエンスでは、世間一般の会社と同じく「従業員持ち株制度」がありました。毎月の給与の一定比率を限度に、株式を購入する積立預金のイメージの制度です。キーエンスは、私が入社したその秋に上場。私の世代はほとんどメリットがなかったと思いますが、キャリアの長い方の中には、利益を得られた方がいてもおかしくありません。その為【30歳代で家が建ち】は実際にあったのかもしれませんが、【40歳代で墓が立つ】は、キーエンス在職中、実際に見聞したことがありません。つまり根拠の無いウワサのはずです。
さて、キーエンス入社3年目の四月。4月度から赴任された新しい上司(責任者兼所長)も、とても腕のいい方であると同時に、何よりも部下の気持ちを読める方でした。グループのメンバー全員が大満足でした。
1989年4月。私自身が3度目の参加となる「新年度発表会」が土曜日に開催されました。会場は大阪の某高級ホテルです。例年通り、全国の営業所メンバーも含めて、キーエンスの全社員が参加します。実のところ、当日の出来事について詳しい記憶がありません、既に退職を決めていたので、終始うつろな気分だったのかもしれません。ただ「事業部の年間営業ランキング表彰」の場面のみ鮮明に覚えています。3位でしたので壇上には上がれませんでしたが、名前だけは呼ばれました。この瞬間だけはしっかり覚えています。
その後は「いつキーエンスを退職するか」、退職時期の検討のみです。当初は、6月頭の夏の賞与支給日を最終日と考えていました。夏の賞与(ボーナス)は、前期の成績が考慮されていますから区切りがいいところです。そして、一般的な引き継ぎ期間として「一か月間」を考慮して逆算すると、5月頭に退職願を提出すればよいだろう…と考えていました。
ところが、まことしやかな都市伝説に悩まされます。「賞与支給日前に退職を申し出れば、賞与が大幅に減額されるぞ。賞与をもらってから退職願を出すべきだ・・・」<????????>賞与の金額は、前期の実績で左右されるはずですから、これも都市伝説のはずです。「モラール(士気)の低い社員が流したウワサ」だったかもしれません。もちろん事実無根であってほしいのですが、事実確認することなど無理なお話しです。もし事実であれば、こちらが「これはいったい、どういうことなのかな?」という心境になって、無用な争いにもなりかねません。こういう場合の選択肢はフェールセーフ、安全な側の選択をするのが賢明であります。自分なりに考えた結果、賞与支給日までポーカーフェイスを貫くことにしました。というのも、支給された賞与について返還請求する会社など存在するはずがありませんから。
そして迎えた1989年(平成元年)6月6日の賞与支給日、昼休みに営業所1階にある銀行のATMで、賞与の入金を確認。賞与明細を頂いた直後に退職願を提出しました。あとは静かに退職日を待つのみです。退職後どの進路にすすむか、退職日当日時点も未定のままでした。
※『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。