本日は、平成26年(2014年)4月29日火曜日祝日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。前回に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)
5回のシリーズでお送りした「キーエンスの疾走を止めるライバルは存在しないのか?」のテーマですが、
強固な代理店網を持つ企業、また商品力(高精度・低価格)を持つ企業でも、キーエンス疾走を完全止めることは難しいことがおわかり頂けたと思います。私がキーエンスに在職した1987年当時から現在まで、キーエンスには、もはや隙がないようですね。
最近、私がキーエンスに在職していたと知った経営者の方々から「あなたならどのようにキーエンスと戦いますか?」と質問を受けます。もちろん、雑談ついでの場面。以下は、あくまで個人的な所感です。
まず「キーエンスを真似ることはできない」。
キーエンスの仕組みやルールを、社内の営業部門や出荷他の各部門に適用することには無理があるからです。キーエンスの方式であれ、他の会社の方式であれ、急激な環境変化に順応できる人は、ごく少数だからです。相当の苦労や軋轢(あつれき)を伴うだけで、効果は期待できないはずです。というのも、日本企業の大部分では「論理優先」で「良い悪いを明確にする」といったキーエンスの企業風土が根付いていないからです。
そうなると、キーエンスに勝利するには中国の戦国時代、「合従(がっしょう)の策」しかないかもしれませんね。強国であった「秦(しん)」をキーエンスに見立てて、複数のライバル会社が開発・製造・販売で連携する…
ただ、この策も、後世の張良や諸葛孔明のような大軍師(コーディネーター)の登場が必要になると思いますが、現実的には難しそうですね。 キーエンスに完全勝利する策などは、座興の席では、そう簡単に思いつかないものです。
※『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。