本日は、平成26年(2014年)1月3日金曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
ただいまは冬休みのため、休日のテーマは「バラエティ」です。昨日に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)
1987年(昭和62年)。新卒入社した4月半ばから、約2週間の取扱製品の講習が始まりました。この時点で、それぞれの配属が営業、開発、販売促進、生産管理等に分かれたと思います。
新卒入社40数名のうち24名が営業担当、正確には代理店を通さない販売手法であるため、直販営業担当者となるわけです(この24名という数字は正確な記憶です。今も当時の全員の顔と名前がほぼ一致するからです)。営業所に配属された後は、製品PRも直接ひとりでおこなうようになります。顧客訪問時には、実際の機器を持参してPRするスタイルの為、製品知識はもちろん機器の操作も熟知していることが必要なのです。実習する機器のメインはセンサです。
◆センサという言葉が初めての方へ…
日常の生活のなかで、一番身近なところで使われているセンサは、自動ドアを思い浮かべると理解しやすいかと思います。自動ドアには、センサが内臓されています。主に見えない波長の光(光源はLED等)を利用した「光学式センサ」といったものです。センサの主な機能は、対象物がある(ON)、あるいは無い(OFF)の検知。自動ドアに内臓されたセンサは、人がいる(ON)、あるいは人がいない(OFF)を検知しているのです。センサには、検知する機能とともに、その状態を知らせる出力が装備されています。つまり、人がいる(ON)か、いない(OFF)かの2段階(ONまたはOFF)を判別した後、そのONまたはOFFの状態の信号を出力して、ドアの開閉を行う自動ドアの頭脳の部分に伝えているのであります。(但し、当時のキーエンスは自動ドア用センサを販売していませんでした)。
キーエンスが販売していた工場で使われるセンサも、自動ドアに内臓されているセンサと基本的には同じ機能を果たします。製品や機械の動作等について、対象物が「ある(ON)」・「ない(OFF)」の判別に使用されます。主に、今まで人が目視で確認していた作業に代わってセンサを利用します。つまり省力化に貢献するのです。工場用のセンサは、主に2つのタイプが一般的であります。自動ドアと同じ「光」を使うタイプのもの。そして「磁気(渦電流)」を使うタイプのものです。光を使う「光学式センサ」は、対象物に比較的距離をとって設置できるメリットがあります。
ところが、この「光学式センサ」にも弱点があります。機械部品の工場など、業界によっては製造ラインで粉塵や油煙等があるため、「光学式センサ」のレンズ部分がひどく汚れたり曇ったりします。すると、正確にONとOFFの判別ができない場合があるのです。
そういった製造ラインでは、光と違う方式、巻き線技術を応用した「磁気(渦電流)方式」のセンサが使用されます。「磁気(渦電流)方式」のセンサは、対象物が主に金属に限られ、また光ほど距離はとれないものの光学式センサと同様、対象物に触らず(非接触)に生産ライン上でのON-OFF(モノがある・ない)の検知に利用されます。
また、センサ自体のサイズは、工場の製造設備に取付けて使われる場合がある為、大きなイメージもありますが、ほとんどが小型のものです。検知する対象物に近づけて直接感知する部分(センサヘッドともいう)は、飲料ペットボトルのキャップ程度のものや、光ファイバーを使った細いストロー状のようなものもあります、そのセンサヘッドとケーブルでつながれるアンプ(本体、信号を出す機能もある)は、ライターや小型の目覚まし時計のようなサイズ。「光学式」・「磁気(渦電流)方式」とも、ほとんどのセンサは宅配便で運送できる軽量なものがほとんどでした。
さて、キーエンス同期入社の営業配属者のほとんどが文系出身です。ふだん目にすることのない技術的な製品であるセンサに、フツーは戸惑いますよね(特に私がそうでした)・・・次回もキーエンス本社での新人研修の思い出、機器の実習の記憶をたどりましょうかね…
※『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。